「夫の会社では、男性の育児参加を不思議に思う人が多い」
一方で、「夫に育休を取ってほしいと思わない」(「そう思わない」「全くそう思わない」)と答えた人も31.8%いる。
夫が育休を取得すれば育児の担い手が増え、妻にとっては心強いはすだ。しかしなぜ取得して欲しくないと思うのだろうか。「夫は育休を取得していない/取得する予定はない」と答えた人にその理由を複数回答で聞いたところ、
トップは「収入が減るから」(57.3%)で、家計への影響を心配する声が多い。
「育休をとることで収入が減少すると生活がままならなくなることが困る。また、育休をとることで会社での立場が悪くなったり、異動させられたりするなど不遇な扱いを受けるという話をあまりにもよく聞くのでそういった面で取りづらいというのもある」(27歳)
2位は「仕事が忙しいから」(51.8%)、
3位は「会社に育児休業を取りづらい雰囲気があるから」(37.2%)だった。
「主人は育休が取れるなら取りたいと思っているが、会社が昔ながらの方が多いので男性が育児に参加すること自体不思議におもう方が多く取りにくいとのこと。一人目はなにもかも初めてで、とくに夜中ミルクを飲ませてくれたりオムツ交換を率先してしてくれるのが助かった。でも主人は次の日仕事なので私も気を使ってしまって、私の余裕が無くなった。育休とれればもっと頼めるのにと感じた」(33歳)
「(パパの育児休業を)とらないのが当たり前という会社の圧力が大きいと思う。とらないと罰則があるぐらいの義務にしてほしい」(34歳)
育児休業制度には雇用保障がある。そのため育休取得を理由に解雇されたり、減給されたりすることはない。しかし実際には十分に守られていないケースもあり、女性は内心「夫に育休を取ってほしい」と思いながらも、夫の立場を心配する複雑な心境を抱いている。
育休前給与と比べ実質8割ほどを受け取れる。しかし制度を「知らない」が約7割
収入面の不安が根強いが、育児休業給付金という制度がある。そもそも育児休業は子どもが1歳に達するまで取得でき(場合によっては最長で2歳に達するまで)、最初の6ヶ月は育休取得前の賃金の67%、それ以降は50%が給付される。さらに育休中は健康保険料や雇用保険料が免除されることから、休業前の手取り額と比較すると8割ほどが支給される。
しかし育児休業給付金制度についての認知拡大には課題が残る。「男性の育児休業取得に関して、公的に認められている子育て家庭へのメリット」を聞くと、最多回答は「知らない」(67.6%)だった。「社会保険料の免除」(18.5%)、「一定条件下での育児休業給付金支給」(16.7%)など給付金に関する具体的な項目を理解する人は少数だった。
(引用コメントは全て原文ママ)
<文/薗部雄一>