「コロナ不況」対策として、有志が「国民1人あたり20万円」の支給を財務省に申し入れ

新型コロナ不況対策を皮切りに格差是正も

年収国際比較 会見には、経済学者で駒沢大学准教授の井上智洋氏もメッセージを寄せ「デフレからの完全脱却を果たしていない今、マクロ経済政策に対する考えを抜本的に改めなければ、失われた30年は、40年、50年となるだろう」と20万円配布と緊縮財政からの脱却を呼びかけた。  介護労働者で就職氷河期当事者全国ネットワークのメンバーの諸星たおさんも会見に参加。 「少子高齢化が進む中、介護現場の人員不足が危惧されていますが、低賃金長時間労働で私達は既に限界です。例えば、職場で誰かが新型コロナウイルスに感染したら、その穴埋めするのは難しい」と語る。「人員を増やすためには介護労働で生活していくことが必要です。日本の社会保障制度の持続性は、現場で働く人々一人ひとりの生活の持続性にかかっています」と新型コロナ不況対策を皮切りに、格差是正や労働者が安定して働ける環境つくりをしていくことの重要性を強調した。

新型コロナ経済対策で進む各国の現金給付

 映画監督でベーシックインカム学会理事の増山麗奈氏は「現金の配布というと、日本ではバラマキだの、財源はどうするだのと批判されますが、ベーシックインカムやそれに類似したものは各国で試みられています」と語る。 「新型コロナウイルスによる経済低迷の打開策では、香港政府は18歳以上の全ての市民、約700万人に日本円で1万香港ドル(およそ14万円)を配布することを打ち出しています。韓国では、昨年、同国北西部の京畿道(キョンギド)行政区で、若者を対象に年間100万韓国ウォン(約9万円)を配布する社会実験が行われました。米国のカルフォルニア州でも、つい先日、月1000ドル(約10万7000円)相当のベーシックインカムを配布する法案が州議会に提出され、その動向が注目されています」(増山氏)。 <文・写真/志葉玲>
戦争と平和、環境、人権etcをテーマに活動するフリージャーナリスト。著書に『13歳からの環境問題』(かもがわ出版)、共著に『原発依存国家』(扶桑社)、 監修書に『自衛隊イラク日報』(柏書房)など。
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