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マドゥロの側近がマドリードに持ち込んだ謎のトランク
先月ベネズエラの暫定大統領フアン・グアイドーがヨーロッパのEU各国の首脳と会談した後、マドリードを訪問した。
しかし、その前に、マドゥロ政権の副大統領デルシー・ロドリゲスが不意を衝くかのようにマドリード空港に到着していた。その訪問の目的のひとつは、グアイドーとスペインのサンチェス首相が会談をもたないようにと説得する為であった。それが功を奏したのか否か、サンチェス首相はグアイドーとは会談をもたなかった。その代りにアランチャ・ゴンサレス外相が応対した。
デルシー・ロドリゲスがマドリード空港に到着した際に、40個のトランクを税関のコントロールを通過することなく在マドリードのベネズエラ大使館が用意した大型車の中に積み込んで空港を跡にしたことが今も話題になっている。
つまり、その中身は何だったのか? という疑問が浮上しているのである。
デジタル紙『
ペリオディスタ・ディヒタル(Periodísta Digital)』は、ベネズエラ大使館に近い筋から得た情報だとして、ひとつは高額の紙幣で、もう一つは金塊だ、と伝えている。
記事によれば、マドリードのベネズエラ大使館に勤務しているスタッフは、マドゥロ政権の資金難が理由で給与も受け取れない状態が続いていたということ。同様に、その資金の一部は
スペインの左派政党に渡されるものだという。
スペインの左派政党で現在マドゥロ政権と親密な関係にあるのは
スペイン共産党と
左派連合だ。更に、その資金の中からスペインにて広報も兼ねてマドゥロ政権を擁護してくれている俳優のウイリー・トレドやカタルーニャの政治学者アランチャ・ティラドに報酬として支払われるものだとしている。
もう一方の金についてはマドリードで同大使館が引き取った40個のトランクの中にも入っているが、その多くはロドリゲスが搭乗して来たダッソー・ファルコン900LXに積まれたまま、それを
トルコにもって行ったということも明らかにされている。というのも、この飛行機はトルコのチャーター便で、マドリードを離陸した後にトルコのイスタンブールまで向かったことも明らかになっている。一方、彼女はマドリードから別の飛行機でカタールに向かった。
マドリードで積み下ろした金以外に残りの金をトルコまで運んだのは、カナリア諸国連合の議員アナ・オラマスも明らかにしたように、トルコで金のインゴットにするためである。制裁を受けているマドゥロ政権は当初スイスでインゴットにしていた。しかし、マドゥロのベネズエラが米国から制裁を受けてから、スイスの精錬企業がその取扱いを拒否したため、トルコをメインに送るようになっているのだという。