「桜を見る会」についてホテルニューオータニ支配人を直撃。安倍首相の答弁と矛盾するも、広報の見解は「答えられない」

ニューオータニ広報の公式見解は「守秘義務があり詳細は答えられない」

 別の支配人は2月18日、筆者の電話取材に、「ホテルによっては1年ぐらいの違いはあるかもしれないが、どのホテルも7年間は見積書、明細書、領収証を保管している」と説明した。  また、ホテルニューオータニの関係者は「ANAホテルが辻元議員や新聞社の質問に、書面であそこまで答えるのはびっくりした。ホテルとしての守秘義務もあるので、私たちはあそこまでは言えないが、どのホテルも実態は同じで、ANAホテルと同じことを言うと思う」と話した。  2019年4月に前夜祭が開かれた「鶴の間」は、ニューオータニ本館の1階の中央にある。2月18日夜、筆者が訪れると、大手住宅会社の数百人規模の懇親会が開かれていた。「鶴の間」はニューオータニのメインの宴会場で、国際会議の懇親会もよく開かれる。  支配人は18日夕、ニューオータニ内で筆者と会い、「ホテルとしての見解は広報責任者が対応するので、広報責任者から連絡する」と述べた。筆者は、支配人から聞いた情報を電子メールで送り、確認を求めた。  ホテルニューオータニの広報責任者、岩崎州彦(くにひこ)氏は19日夜、電話で「ホテルの役員、社員が取材に応じることもあるが、私からは広報責任者としての返答を総論としてお伝えする」と述べた上で、次のような「総論」を読み上げた。 <宴会に関してはご予算とか形式とか様々な形態がありますので、一概にこれと明確にお答えすることはできない。個々のお客様のご利用に関しては、守秘義務がございますので、詳細についてもお答えしかねます>  岩崎氏の「総論」では、守秘義務を理由にして回答を拒んだが、「営業上の秘密」には触れていない。首相後援会が主催した800人の規模の懇親会は公的イベントであり、新聞各紙の首相動静にも掲載され、多くの参加者がネットなどで写真つきで公表しており、「守秘義務の対象にあるはずがない。  筆者は「広報責任者としての見解としてお聞きしたが、取材に応じた支配人の方々のコメントはそのまま記事にする」と伝えた。岩崎氏はそれについて何も表明しなかった。

首相答弁を否定したANAホテル、曖昧な態度のニューオータニ

 安倍首相は17日の予算委で、「(ANA)ホテルに確認したところ、『辻元議員にはあくまで一般論で答えたもので、個別案件については営業の秘密にかかわるため回答には含まれていない』ということだ」と答弁していた。  ところが、ANAホテルは17日夜、『朝日新聞』、『毎日新聞』の取材に対し、「『個別の案件については、営業の秘密にかかわるため回答に含まれていない』と申し上げた事実はない」と返答。野党は安倍首相に対し、ニューオータニ、ANAホテルに明細書の再発行を求めるべきだと主張している。  文芸評論家の斎藤美奈子氏は2月19日の『東京新聞』「本音のコラム」で、「首相答弁を否定したANAホテルの回答にはシビれた。曖昧な態度で逃げ切りを図ったホテルニューオータニとの差は歴然」と書いた。SNSでは、ANA東京に比べて、ニューオータニは権力に媚び、安倍官邸に忖度しているという声が多い。  昨年11月に「桜」問題が起きた後、ニューオータニは野党チームの調査や報道各社の取材に対し、「明細書は7年間保存しており、顧客側から要請があればいつでも発行できる」「宴会場のパーティープランは最低でも1万1000円」などと回答している。  しかし、前夜祭の料金については「プライバシー保護の観点からお答えしかねる」と答えていた。また、安倍後援会主催の前夜祭と同等規模のパーティで明細書を作成しないことがあるかとの問いには「お客さまとの取引の中で個別に対応しているので、一概には答えられない」と答えてきた。  2013年から毎年開かれてきた前夜祭の収支は、安倍後援会の政治資金報告書に一切記載がない。ホテルニューオータニの見積書、収支報告書も明らかにされていない。
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安倍首相告発の動きも続々と
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