さらに一連の韓国での教団イベント終了後には、
福田康夫元総理と北村議員をはじめ各国のVVIPを引き連れた韓鶴子総裁が北朝鮮を訪問し金正恩委員長と会談することが計画されていたという。
ところが
新型コロナウイルスの影響で北朝鮮が外国人の訪朝を禁じたことにより北京~平壌の航空機ルートが閉鎖、韓鶴子一行の北朝鮮訪問は取りやめになった。そのこととの関連は不明だが、
福田元総理と北村議員は訪韓自体行っていない模様で、一連の式典の中継映像でもその姿を確認することはできなかった。
ジョージ・W・ブッシュ元大統領についても、父親の第41代アメリカ合衆国大統領ジョージ・H・W・ブッシュが前述の通り、教団の御用達だったことから統一教会イベントへの出席予定があっても不自然ではないが、ジョージ・W・ブッシュ元大統領が訪朝するとは考えにくい。アメリカ合衆国大統領時代の2002年1月29日に行った一般教書演説で、ジョージ・W・ブッシュはイラン、イラクとともに北朝鮮を「悪の枢軸」と非難していたからだ。
では福田元総理と北村経夫議員による訪韓及び訪朝の予定はあったのか?
300億円から100億円に減額された昨年の日本からの“献金ノルマ”が達成できず、馘首(クビ)の対象だった日本の
徳野英治会長は、福田元総理と北村議員を“ブッキング”した成果で降格の危機を免れたとされる。
福田元総理と北村議員の事務所に質問書を送ったところ、
福田康夫事務所からは即日回答があり、
福田元総理本人の弁として「全く聞いたことがない」と関係を全面否定。事務所も「問い合わせを受けたことは一度もございません」と教団サイドからの接触自体を否定した。
北村事務所からは期限までに回答は得られなかったが、電話で照会した際、秘書が「
北村は日程がびっしり詰まっていたので、日本におりました」と話している。
本連載で報じたように、北朝鮮の金正恩委員長から韓鶴子総裁へは昨年の時点で既に招待状が届いており、今年1月、韓国の複数メディアは韓鶴子総裁が世界平和国会議員連合IAPPの100人の各国国会議員を連れて北朝鮮を訪問する計画の存在を改めて報じていた。
〈参照:
安倍政権と蜜月の関係を築く一方で、統一教会・韓鶴子総裁が日本の幹部に下していた仰天指令<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第14回>|HBOL、
国会議員の“統一教会”イベントへの出席に、弁護士団体が再び要望書。取りやめた議員はいたか?<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第19回>|HBOL〉
今回は“流れた”韓鶴子訪朝団、次回計画時に日本から誰が同行するのか。悪化する日朝関係の”懸け橋”として、「安倍晋三首相―金正恩委員長」会談を統一教会がお膳立てする可能性もある。(文中敬省略)
<取材・文/鈴木エイト(ジャーナリスト)>