では日本からは誰がVVIPとしてこれらの教団イベントに参加したのか。
World Summit 2020の「世界平和頂上連合」(ISCP=International Summit Council for Peace)の総会には
伊達忠一前参院議長が出席したものの、壇上からスピーチを行った際に韓鶴子を「真(まこと)の母」と呼称すべき箇所で「しんの母」と読んでしまう失態。鮮鶴平和賞受賞式と成婚式典には
大野功統元防衛庁長官が参列、韓鶴子総裁の自叙伝発刊記念式典では
柳本卓治前参議院議員が同自叙伝日本版の贈呈式を行った。
この3人の自民党出身教団御用達元政治家に加え、今回は新顔として成婚式典に
元民主党小沢グループの
武山百合子元衆議員議員(国際親善交流協会Friends Global理事長)が登場、
梶栗正義国際勝共連合会長・UPF会長とともに「真の父母」への供物を納めた。
韓鶴子の自叙伝『人類の涙を拭う平和の母』は本来であれば昨年11月に発刊予定だったが、記述内容が気に入らなかった韓鶴子が“自叙伝”の書き直しを命じたため発刊が遅れたという。
韓鶴子詣でに勤しむ元政治家たち。伊達忠一前参院議長(左上)、柳本卓治元参院議員(右上)、大野功統元長官(左下)、武山百合子元衆院議員(右下)(PeaceTVより)
今回の一連の式典には参加を取りやめた“大物”の存在も噂されていた。関係筋によると、アメリカから
ジョージ・W・ブッシュ元大統領、日本から
福田康夫元総理大臣が来賓として出席することが教団内部で伝わっていたという。
1974年5月に文鮮明教祖が東京・帝国ホテルで開いた『希望の日晩餐会』では
安倍晋三の祖父・岸信介元首相が名誉実行委員長を務め、安倍晋三の父親・安倍晋太郎や当時大蔵大臣だった福田赳夫ら40人の自民党国会議員が来賓として出席した。福田はスピーチで「
アジアは今、偉大な指導者 を得ることができました。その指導者こそ、そこにおられる文鮮明先生です」と発言。
ジョージ・H・W・ブッシュ元米大統領夫妻も1995年9月に、
世界平和女性連合(WFWP)が東京ドームで開いた創設3周年大会でスピーチを行うなど、教団と緊密だった。共に父親が教団と関係が深かった福田康夫元総理とジョージ・W・ブッシュ元大統領。両者が今回の韓国での教団イベントに参加予定との情報は果たして事実だったのか。
他に日本からは
北村経夫参議院議員の式典参加が予定されていたとされる。北村議員は
本連載の第1回で触れたように
安倍首相が直々に統一教会へ後援を依頼して同教団の組織票8万票の上乗せによって当選した政治家だ。