上記のようにおかしなところが少なからずある日本の労働環境であるが、では外国人労働者は日本で働くことにどんなメリットを感じているのだろうか。「日本で働くことのメリットは何ですか?」という質問への回答を紹介したい。
1位は「新しい友人・知人を作る事」で37.3%。技能の習得や金銭的な面よりも、人との出会いを求めている人が多いという結果となった。日本での出会いに大きなメリットを感じている人が多いということは、嬉しい点ではないだろうか。
そして2位に「お金を稼ぐ・貯金する事」で27.8%、3位に「言葉や文化を学ぶ事」で 20.6%と続いている。この内、2位の「お金を稼ぐ・貯金する事」の詳細がなかなか興味深いものとなっているので詳しく紹介したい。
2位の「お金を稼ぐ・貯金すること」に寄せられたコメントを見ると、「母国より80%も高い給料を払ってくれる」(フィリピン出身/40代)や「日本では一人で生活しながら貯金も出来る。母国で同じ額を稼ぐ事は不可能だ」(ブラジル出身/30代)などの金銭面で満足しているコメントが寄せられている。
金銭に満足している人は待遇のよい企業で働いているのかというと、必ずしもそうではないことが次の質問から伺える。
「最低限必要な月収はいくらですか?」という問いに対して、42.9%と約半数が15万円以下と回答している。月の収入が15万円以下で満足できる日本人は多くはないだろう。少なくとも約半数の人が15万円以下で満足とは答えないだろう。
「日本人は優しく、交通費も支給されきちんと給料日に支払われる」(キルギス共和国/30代)というコメントもあり、労働した分がきちんと給与として支払われることが常識ではない国もまだあるようだ。
日本の労働環境は改善しなければならない点も多々あるだろうが、外国人労働者から見ると自国よりも優れている点もあるようだ。日本で働く外国人にとって「来てよかった」と思われるような労働環境、社会であってほしい。
<文/菅谷圭祐>