アムロは国の歳出をできるだけ押さえる意向に変化はなく、よってこの専用機を使用する意思はまったくないとしている。売却できるまで軍部がそれを管理する。(参照:「
Infobae」)
歳出の削減という点でいえば、アムロは徹底している。大統領の年収もこれまでの大統領が貰っていた年収の3分の1まで下げて166万ペソ(963万円)とした。大統領の任期は6年ということで、総額は996万ペソ(5780万円)になる。また、彼以上の年収を国家公務員が稼ぐことを禁止した。例えば、判事は高い収入をもらっていたが、それも大統領以下の年収に抑えるように指令した。
因みに、彼の資産は3000万ペソ(1億7400万円)と評価されている。(参照:「
Elegora」、「
Expansion」)
アムロは選挙戦中から大統領専用機は使用しない意向であることを表明していた。国民の大半が貧困に喘いでいる時に贅沢な大統領専用機を使用することなどもってのほかだという考えからである。
アムロが大統領になって外遊する時はどうするのだろうという疑問がメディアでも取り上げられていた。大統領になってからも国内での移動は相変わらず一般旅客機を使用しているが、就任して1年間は国内での執務が多忙だという理由で外遊しない意向を表明していた。ところが1年が経過した今も外遊する意向はないようだ。隣国の米国でさえ訪問していない。外遊にはマルセロ・エブラルド外相がこれまで彼の代理を務めている。
その一方で、嘗てメキシコが1930年代から50年代にかけて外国からの亡命者を容易に受け入れていた時代があったが、アムロはそれを現在復活させている。スペインの内戦で共和制を支持していた者も多くがメキシコに亡命した。
外国には出ないが、外国からの亡命者は受け入れる用意があるということだ。その具体例は最近のボリビアのエボモラレス前大統領の亡命受け入れに見ることができる。
<文/白石和幸>