AI時代にビジネスシーンで注目される「SQ」って何? 鍛えるために必要なのは?

今後はIQよりSQが重要に

 SQは2つの要素の片方だけあれば十分ではなく、両方共あることが必須となる。心を読んで、誘導するという点においては、メンタリストのような能力とも言えるかもしれない。  IQ的な能力はテクノロジーの発達によって、ますます不必要になっていくだろう。それよりも、信頼を得て、協力してもらったり行動を促す社会的知性であるSQが、成功するために重要になっていくのは間違いない。  もちろん、IQが高いことはよいことだが、人間が作用し合う社会のなかで生きている限りは、IQ的な合理的な頭のよさだけでは成功することができない。また、AIのIQが2年で2倍に成長しているなかで、人間では到底敵わないIQを叩き出すのも間近である。IQをウリのひとつにしている私が言うのも変だが、「IQって必要なの?」と言われる時代も、もうすぐだろう。

発言よりも共感を鍛える

 しかし、現代社会はネットやSNSの発達によって、このSQが発達しづらくなっているのではないかと思う。特に、TwitterやInstagramにおいては、「自分が理解したことが真実である」という前提で、相手を批判したり自論を展開している。真実を掘り下げる傾聴力を鍛えることができていない。それは相互的なコミュニケーションではなく、ただの発言である。  それよりも、人と会って、相手の話を聞いて理解してあげて、ちょっとしたアドバイスや、相手の本心を汲み取る共感(「こういう風に思ってるのね」)をしてあげるようなトレーニングをやってみてほしい。そうすると、あなたのSQは格段に高まっていく。  そうして、人を巻き込んだ大きな仕事や夢を実現することができるだろう。 【参考文献】 『SQ生きかたの知能指数:ほんとうの「頭の良さ」とは何か』ダニエル・ゴールドマン
心理戦略コンサルタント。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』がある。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催中。
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