鈴木邦男を通して見えてくる日本の民主主義 『愛国者に気をつけろ!』中村真夕監督

様々な価値観の人がいてこその民主主義

――映画に登場する方々の他にも世の中から断罪されている数多くの方々と交流を持っています。 中村:鈴木さんにその理由を聞くと、自分がマイノリティーだからという答えが返ってきました。鈴木さんのファンはたくさんいますが、公安からは危険視されて何度も警察が自宅に来ていることもあり、世の中から持ち上げられてはいません。自分がそういう人だから、マイノリティーの声に耳を傾けているというんですね。 ――上映後のトークイベントに錚々たる面子が揃っていますね。 中村:鈴木さんのためならと言ってひと肌脱ぐ人たちがたくさんいます。森達也さんも「オウム真理教を題材にしたドキュメンタリー『A』(1997)を上映して批判があった時、誰もが委縮して取り上げてくれない状況の中、鈴木さんだけが守ってくれたと言っていました。 ――鈴木さんには正義の暴走を疑い続ける強さがありますね。『愛国者に気をつけろ!』を作り終えて中村監督の中で変化はありましたか。 中村:このドキュメンタリーの撮影を開始する前から、今の日本の社会が息苦しいと感じていました。ネット社会が弱い者いじめをし、他者に対する不寛容さがはびこり、現在の政権も自分たちと違う意見の人は排除しようという雰囲気を感じます。  それから、オリンピックが近いこともありますが、民放を中心に「日本は凄い!日本は良いところ!」という感動を煽る番組、国粋主義的な番組が多いことも気になっていました。  鈴木さんは分け隔てなく、さまざまな価値観の人と話をします。さまざまな価値観、意見を持った人がいてこその民主主義だと考えています。鈴木邦男さんから日本の民主主義を考えるというと大風呂敷を広げるようですが、この映画が民主主義を見直すきっかけになればいいと思っています。 ※中村監督の取材対象との向き合い方や海外における映画制作については、近日中に公開される続編をご覧ください。 <取材・文/熊野雅恵>
くまのまさえ ライター、クリエイターズサポート行政書士法務事務所・代表行政書士。早稲田大学法学部卒業。行政書士としてクリエイターや起業家のサポートをする傍ら、自主映画の宣伝や書籍の企画にも関わる。
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