ペット高齢化によって需要増。動物義足職人が語る熱い思い

ときに直面する覚悟なき飼い主と業界の闇

 製作期間1週間のオーダーメイドで価格は4万円から10万円とそれほど高い印象は受けないのだが……。   「義足や装具のおかげで犬が歩けるようになっても、金額に納得しないと不満を漏らす飼い主もいます。また、ペットの健康診断で病気が見つかると、余計な治療費がかかるからと怒る人もいる。よく“ペットは家族”と言いますが、そういう現場に立ち合っていると、飼い主の本心は“それなりの家族”なんだなという気がして、胸が締め付けられる思いです」  実際、ペットの費用は生涯で約200万円かかるといわれ、飼い主の負担もバカにはならない。 「ペット産業は市場が大きい分、闇も深いといわれています。身動きの取れない狭いケージや糞尿を垂れ流した劣悪な環境で繰り返し繁殖させる悪徳業者や、商品にならないペットを踏んだり、首を引っ張ったりして殺す悪徳ブリーダーの話はよく耳に入ってきます」
動物義足職人

採型の様子。「義肢装具専用の石膏包帯を右の前足に巻きつけて表面の形状を型取っています。これをもとに石膏型を作り、装具の作成に移ります」

 孤独感を埋め、癒やしを与えてくれるペット。だがその分、飼い主には覚悟と責任が生じる。「装具をつけた後、ペットが走り回る姿が好きなんです」。  島田氏はこれからも義足装具を作り続ける。 動物義足職人【島田旭緒氏】 日本唯一の、動物を専門とする義肢装具士。東洋装具医療器具製作所代表。全国の動物病院や愛護団体から寄せられる相談の数は年間3000件以上で、これまで製作してきたペットの義肢装具は2万個に及ぶ <取材・文/谷口伸仁 撮影/杉原洋平> ※週刊SPA!1月28日発売号より
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週刊SPA!2/4号(1/28発売)

表紙の人/ 広瀬アリス

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