大炎上した香川県の「ネット・ゲーム依存症条例案」。脊髄反射する前に考えたいこと

お節介な条例は必要なのか?

 ネットやゲームの利用時間が罰則ありで縛られたりすると面倒臭いですが、世の中には、変な条例はたくさんあります。 「乾杯は日本酒で!」という条例を定めているところもあれば、「乾杯は地元産の牛乳にしましょう」というところもあります。それこそビールで乾杯しようが、ハイボールで乾杯しようが、「そんなもの自由だろ!」の一言で片付く話ですが、わざわざ日本酒やビールと定めるのは、その土地が日本酒や牛乳の産地であり、これは地場産業を盛り上げようというメッセージが込められています。  自由が制限されるから反発が生まれるわけですが、考え方によっては、牛乳で乾杯するよりネットやゲームの制限時間に努力義務を課す方が、よっぽど世の中のためであると言う人もいるかもしれません。厚生労働省の調査によると、2017年の時点で中高生の約93万人が「ネット依存」の状態にあり、久里浜医療センターの調査では、そのうち90%は「ゲーム障害」であると考えられています。ネットやゲームがやめられない子どもがたくさんいるのです。子どもに健全に育ってほしい大人はどうするべきか。これを考えたのが香川県議会の「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」なのです。

ギャンブル依存症につながる問題も

 まさに今、カジノをめぐって便宜を図ってもらいたい中国企業から複数の国会議員が賄賂を受け取っていた問題が報じられていますが、カジノができるとギャンブル依存症の人が生まれてしまうことが問題視されています。  既にパチンコや競馬などにのめり込んでしまうギャンブル依存症の人はたくさんいますが、さらにギャンブル依存症の増加に拍車がかかるだろうと言われているのです。  そう滅多なことではパチンコも競馬もやらないという人たちからすると「意志が弱いからそうなるのだろう!」と思うかもしれませんが、なんと、厚生労働省はギャンブル依存症の治療に保険が適用できるようにする方針を示しました。いまや国民病と言っても過言ではない「花粉症」を保険適用外にしようとして、約600億円の医療費を削減しようとしているのに、ギャンブル依存症は、れっきとした「保険が適用される病気」と認定されることになります。  ただ、このギャンブル依存症は「治りにくい」ということもわかっていて、これもまた専門家たちの頭を悩ませています。  1月11日の朝日新聞に特集記事が載っているのですが、「ギャンブル依存症の治療プログラム」を受けても、約6割は半年以内に再びギャンブルの世界に戻ってしまうといいます。つまり、ギャンブルの世界から足を洗えるのは半分にも満たないということです。  ただ、この治療プログラムを受けなかった場合に足を洗える人は、たったの2%しかいないということなので、治療に効果がないわけではありません。  僕たちの大好きな田代マーシー先輩が何度も何度もクスリに手を出しては刑務所にぶちこまれる姿を見て、「クスリから抜け出すというのは大変なんだな」と実感しますが、クスリほどの強い依存性はないにしても、やっぱり「依存症から抜け出す」というのは並大抵のことではないのです。そして、これからの子どもたちは物心ついた頃にはカジノがあって、製紙会社のボンボンが喜んでBETしているのが当たり前の世界で生きていくわけです。  子どもの頃からネットやゲームから抜け出せない依存症の英才教育状態の子どもたちが、やがてカジノの味を覚えたらどうなってしまうでしょうか。スマホゲームのガチャを引いて、SSR(ダブルスーパーレア)のアイテムを出して脳味噌が「アハッ!」ってなっちゃっている子どもが大人になった時に、カジノで綺麗なフルハウスを出して大量のチップをゲットしたら、そりゃ脳内に出てはいけない液体がドクドクドクドクって溢れても不思議ではありません。もしかしたら「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」のような条例というのは、これからの子どもたちを守るためには必要かもしれない条例案なのです。
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丸山穂高議員の「脊髄反射」
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