2019年に投資環境が大幅改善した米国株。始めるために今年注目すべきポイントは?

これからの米国株2020年大予測

 取引しやすくなったのはわかったが、今後の米国株はどうなっていくのだろうか? 3つの注目ポイントを専門家に聞いてみた。 1 再選を目指すトランプ大統領の動向に注目  ’20年は4年に1度の米大統領選の年だ。グローバルリンクアドバイザーズ代表取締役の戸松信博氏は「再選を目指すトランプ大統領が、手厚い景気対策や株価対策を打ってくると考えられる」と指摘する。また、例年、年末から4月ごろまでは株価は上昇しやすいという季節的な傾向もあるので、’20年前半までの投資環境は悪くない状況が続きそうだ。ただし、トランプ大統領が敗北することがあれば、株価や景気を支えてきた財政政策が一変する可能性があるので注意したい 2 米中関係の行方次第では景気の減速も  大統領選を意識した株価や景気対策が奏功するのは、あくまで「米中貿易交渉が落ち着くことが前提」(戸松氏)だ。トランプ氏が保護主義を掲げて大統領選に勝利した経緯を考えれば、そう簡単には譲歩できないという見方もできる。さらに言えば、米中貿易戦争の裏にはハイテク産業での覇権争いがあり、両国にとってそう簡単に決着できるものではない。対立がエスカレートして、世界の景気に影を落とす可能性も視野に入れておきたい 3 成長の鈍化は不可避か!?  米国景気は長い拡張局面にあり、史上最長となる11年目に突入した。この間、株価は右肩上がりを続けており、S&P500指数は年10%近い成長を見せた。しかし、この先も同じペースで成長できるかといえば、懐疑的な見方は多い。専業投資家のたぱぞう氏は「過去10年はさすがに出来過ぎで、今後も同等の成長を期待するのは難しい」としながらも、「長期的に見れば、年4~5%程度の成長は期待できる」と予想する 【戸松信博氏】 グローバルリンクアドバイザーズ代表取締役。中国株ブームを巻き起こし、鋭い市場分析で個人投資家の支持を集める。注目銘柄・相場見通しはメルマガ「米国株通信」で配信中 【たぱぞう氏】 専業投資家。’00年から投資を始め、’19年に専業投資家に。著書に『お金が増える米国株超楽ちん投資術』『寝ながら稼げるグータラ投資術』 <取材・文/森田悦子>
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