秘書によるラグビー風味のタックルに耐えながら観察していると、支援者と思しき人々が秘書たちに、こんなことを言っているのが聞こえてきた。
「まあ、この逆境はしょうがないよ。そちらにも言い分はあるだろうけど、頑張って」
秘書たちは「はい」「ありがとうございます」と言って頭を下げる。
確かに自業自得なのだからしょうがない。しかし、中には秘書たちにこんな言葉を投げかける区民もいた。
「いろいろ大変だろうけど、
これから(収賄容疑で逮捕された)秋元(司・衆議院議員)さんに注目が集まるから大丈夫だよ」
「(有権者への香典などは)
みんなやってるんだからさ」
もちろん、中には声をかけてきた秘書に対して、手で振り払うような仕草をして追い払う区民もいた。しかし聞こえてきた会話の中で、いまだ有権者買収問題について説明しない菅原氏について苦言を呈する声はなかった。
賀詞交換会は1時間半ほどで終了した。
会場を出て、さらにとしまえんの敷地を出ると、入口前で「菅原一秀議員に説明責任を求める会」の人々が菅原氏を批判するアピール活動をしていた。賀詞交換会の来場者の大半が通る場所だ。
「菅原一秀議員に言いたいこと」と書かれたメッセージボード
「菅原一秀は練馬の恥」
「説明責任果たせ」
「メロンもカニも忘れてないぞ」
そんなプラカード群が立てかけられている。「菅原一秀議員に言いたいこと」と書かれたメッセージボードには、有権者たちが書き込んだと思われる、こんな言葉が並ぶ。
「即、議員辞職しろ」
「国会に出てきなさい」
「いつになったら説明に立つ?」
アピール活動をしていた男性がギターに合わせて歌い出した。アニメ「一休さん」の主題歌を替え歌にして、「(菅原)一秀さん」を連呼している。
笑い声をあげたり写真を撮ったりする賀詞交換会来場者もいた。ある来場者は、笑いながら「これやられたんじゃ、菅原さんも(賀詞交換会に)来れないだろうなあ」と話していた。