令和の街コン、現状は「ローリスク・ローリターン」<アラサー独女の婚活・恋活市場調査2>
令和の時代の結婚・恋愛市場のリアルを斬っていく本連載。現在、恋愛へのハードルは上がっているものの、出会いのハードルは下がっていると言える。所縁で恋愛しなくなった私たちのために、今は様々な出会いの形や場を選ぶことができる。まずは、筆者自身初心者の頃から行きやすかった「街コン」のリアルを科学していく。
街コンの発祥は2004年。栃木県・宇都宮市で町ぐるみで行われた「地域活性」と「出会いの創出」を兼ねる大規模合コンパーティが発端となり、一大ブームとなった。
今では街ぐるみで行われる街コンは少なく、ほとんどが業者開催で行われる「合コンパーティ」のようなものだ。東京や大阪など、都市部では時期により100人近くが参加する大規模な街コンもあるが、それ以外の県では人数が集まりづらく、数十人程度で行われることも多いため、もはや「街コン」とは呼びづらく、強いて言っても「企画合コン」というくらいのものが多い。
人数の多さよりは、より企画性があったり、趣味や年齢など参加者を制限するような形の街コンが目立つようになってきている。特に地方でも人気が集まりやすいのは、「オタク街コン」や、男性の年収や職業を縛る「男性公務員コン」「医者コン」などだ。
このことから、街コンではより大人数と出会うことよりも、趣味が合う人や年収を持っている人など、より自分の理想に近い人と出会いやすい環境が求められているということがわかる。
とはいえ、趣味や理想の人を見つけたい、という希望だけなら、マッチングアプリの方がより簡単で気軽だ。月数千円の課金で、条件検索で理想の相手を絞り込めるマッチングアプリと、1回数千円かかって、「ざっくりした年齢」「ざっくりした趣味」しか絞り込めない街コンなら、理想の絞り込み精度でいうとマッチングアプリの方が圧倒的に高い。
では、現代街コンに参加する人はどんな人たちなのかというと、ネットでの出会いに未だ抵抗がある人が多い。外見に自信がない、初対面で二人で会話するのが苦手など、理由はいくつかあるが、おしなべて「やっぱりリアルから出会いたい」という保守的な人が多いのが、筆者自身も街コンに参加してきて思ったことである。
そのため職業も偏りやすく、男性は公務員、金融、保険、メーカーの開発職、教師などお堅い職業の人が多い。逆に女性は保育士、介護士、経理などの事務職など、比較的薄給な職業が多い。
これらの人々に共通するのは、職業選びが堅く安定思考であり、だからこそプライベートや家庭にプライオリティを置きたい、ということだ。そんなことからか、街コンに来る人たちは他の出会いの場と比べると「できるだけ早く結婚したい」と思っている人が多い。そういう意味では、より早婚願望がある人は、他の出会いの場よりも街コンで出会う人の方が、より早い結婚ができる可能性が高いかもしれない。
令和の「街コン・恋活パーティ」の現状
街コンに参加する人の最大特徴は「保守的」「早婚願望」
1
2
この連載の前回記事
2020.01.05
ハッシュタグ