不動産投資「国内vs海外」どっちが得か?
2015.03.08
不動産投資は何かとわかないことが多いもの。そこで物件選びの基本から融資、実際の投資先に至るまで、選択テーマを設定。どっちを選ぶのが得なのか、識者や現役投資家に話を聞いた。
不動産投資の市場は、国内だけに限らない。グローバルな視点で見れば、海外の不動産に投資する選択肢もある。
「日本は高度経済成長が終わり、成熟社会に入っています。長期的には人口減少もあり、国内全体で見ると不動産価格の上昇は望み薄です。一方、海外の新興国はこれから高度経済成長を迎えます。かつての日本のような不動産価格の上昇が期待できるわけです。海外不動産への投資を視野に入れるのは賢い選択でしょう」(不動産コンサルタントの長嶋修氏)
不動産投資コンサルタントの午堂登紀雄氏の見解はどうか。
「ニューヨーク、ロンドン、シンガポール、香港など世界の大都市の不動産市場と東京を比較すると、利回りの高さでは東京が断トツで勝ります。ですから、利回りを第一に考えるなら東京限定で国内不動産が有利。東京であれば人口減少の影響は低いと見ています。ただし、インカムではなくキャピタルを狙うなら海外不動産がいい。値上がりした物件の売却益で数百万、数千万円を手にできる可能性があるため、夢はありますね」
となれば、海外不動産に興味を持つはず。第一候補は、長嶋氏の言う新興国の不動産だろう。
「アジアではタイ、マレーシアなどがよく取り上げられますが、私が注目するのはフィリピン。フィリピンの中でもセブ島のコンドミニアムに投資するのが最適だと思っています」
その理由は?
「フィリピンは今後、人口の増加が見込め、高度経済成長期を迎えます。その中でセブ島は生産年齢人口が高く、2080年までピークがこないと予測されています。リゾート地として人気で、治安はいい。国内の発展だけでなく、多数の外国人旅行者が訪れるわけです。コンドミニアムやホテルの稼働率は90%を超えるものも散見されます。主都のマニラはある程度コンドアム市場が成熟していますが、セブ島はこれから。価格は安いもので500万円からあります」
一方、午堂氏は先進国の不動産に注目し、1年半前にアメリカ・カリフォルニアの物件を購入したそうだ。
「カリフォルニアは気候が温暖で過ごしやすいため、移民も含めて世界中から人が集まってきます。レベルの高い学校区の住宅は価格が上がる傾向が強く、私が購入したのもそう。すでに500万円近く値上がりしていますよ」
新興国、先進国と魅力な海外不動産だが、為替のリスクや、日本とは不動産取引の慣行が異なるなど、「注意しなければいけない点がある」と長嶋氏。
「一番重要なのは、信頼できるエージェントを見つけられるかどうかです。騙されないためには、自身でも英語を勉強しておくべきでしょう」
◆新興国不動産を狙え!
【タイ】
高度経済成長の過程にあり、日系企業が多数進出。バンコクのコンドミニアムは300万円台から投資可能。ただし、4年に1回程度クーデーターが起き、政情不安がつきまとう
【マレーシア】
クアラルンプール、ジョホールバルなどの物件が人気。ここ数年で不動産価格は高騰してしまい、今後の上昇は期待薄。投資よりも移住を目的とした実需が多い
【フィリピン】
アジアでは今後の経済成長がもっとも見込め、人口の爆発的な増加も予測される。穴場はリゾート地のセブ島。都心か海の近くのコンドミニアムが狙い目
【長嶋 修氏】
不動産コンサルタント。個人向け不動産コンサルティング会社「さくら事務所」を設立、現会長。マイホーム購入、不動産投資などのノウハウに幅広く精通する。著書多数
【午堂登紀雄氏】
不動産投資コンサルタント。プレミアム・インベストメント&パートナーズ代表。自身でも不動産投資を行い、国内・海外に複数の物件を所有。不動産資産は約5億円。著書多数
※銘柄情報は2014年11月26日時点
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