不動産投資は「国内より海外リートのほうが得」な理由

不動産投資は何かとわからないことが多いもの。そこで物件選びの基本から融資、実際の投資先に至るまで、選択テーマを設定。どっちを選ぶのが得なのか、不動産に間接的に投資できる「不動産投資信託=REIT(リート)」のどっち?について、国内外のリートに精通するアイビー総研の関大介氏に話を聞いた。

【国内リートvs海外リート】価格上昇、分配金増加などで海外のUSリートが有望!

関 大介氏

関 大介氏

 リートは、投資家から集めた資金を不動産に投資し、そこで得た賃料収入を投資家に分配金として還元する商品。数万円から投資することができ、分配金のほか、値上がり益も望める。  さて本題。国内のリートと海外のリート、これから投資するならどっちを選ぶべきか。関氏は「スバリ、海外リートがおススメ」と明言する。 「日銀の追加金融緩和により、国内リートを毎月75億円、年間ベースで900億円買い入れていくことが決まりました。この日銀の買い入れ額は従来の3倍。非常に大きな支えとなり、リート価格の下値不安は当面ないでしょう」  なら、国内リートがよいのでは……。 「リートは基本的には利回り商品。分配金が増えなければ価格が上がっても利回りは下がります。国内リートの場合は分配金を支える賃貸マーケット、特にオフィス市況の回復はまだ見えない。分配金の増加が見込めないわけです」  海外リートの場合は? 「海外リートはアメリカのUSリートがメインになります。USリート市場はUS国債利回りの上昇懸念から、価格は調整局面で利回りは日本と同じ平均3%台。ただ日本と違って景気回復によるファンダメンタルズの強さから下値不安がなく、分配金は増えている状況です。今後は価格上昇が見込め、円安が進めば為替差益も得られる。ということで、かなり有望ですね」  USリートはファンドを通じて投資するのが一般的。USリートに特化したファンドを選ぶか、USリートのETFに投資する手もあり。 ◆USリートに特化したファンドとETF 【フィディリティ・USリート・ファンドB】 主に米国のリートに分散投資する。為替ヘッジなしのタイプ。基準価額6496円。販売窓口は、フィディリティ証券、SBI証券、楽天証券、りそな銀行、新生銀行など 【新光US-REITオープン】 主に米国のリートに分散投資する。基準価額5027円。販売窓口は、SMBC日興証券、野村證券、SBI証券、イオン銀行、東京三菱UFJ銀行など 【Iシェアーズ米国リート・不動産ETF】 米国リート市場を投資対象とし、「ダウ・ジョーンズ米国不動産指数」への連動を目指す。東証に上場しており、日本株と同じように取引できる 【関 大介氏】 アイビー総研代表。不動産証券化コンサルティング及び情報提供を行う。日本の不動産投信(Jリート)情報ポータルサイト「JAPAN-REIT.COM」運営。海外のリートにも詳しい ※銘柄情報は2014年11月26日時点 ― 不動産投資「どっちがお得?」【10】 ―
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