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5.映画に音楽にアジア勢が大活躍
その『
パラサイト 半地下の家族』だが、アメリカでは外国語(つまり英語以外)の作品では史上最大のヒットを記録するなど大ブームとなっている。本作だけでなく、
エンタメ界におけるアジア勢の進出は’19年も進んでいる。
映画では、
オール中国系キャストで全米興行1位の記録を作った『
クレイジー・リッチ!』に出演した
コンスタンス・ウー、
ヘンリー・ゴールディング、
オークワフィナの3人がハリウッドで主演をつとめいずれもヒットした。
また音楽でも、Kポップ・アイドルブームが続き、
BTSが昨年に続いて全米1位を記録したほか、
SuperM、女性グループの
BLACKPINKや
Red Velvetがその流れに続いている。
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6.ストリーミングの転換点
今年は、Spotifyをはじめとしたサブスクによる
音楽配信サービスが大きな転換点を迎えた。海外においては「サブスクに音を解禁しない最後の大物」と目されていた2組、
キング・クリムゾンと
TOOLがついに解禁に踏みきったことで、もはやサブスクに音源を貸さないアーティストそのものがほぼ皆無の状態となってしまった。
そうした流れは、サブスク後進国・日本にもジワジワと影響を与え始めている。’19年に入り、サブスク解禁アーティトは日本でも増え、12月には
L’Arc〜en〜Ciel、
サザンオールスターズと、大物2組がついに解禁。また、
KING GNUや
あいみょんなど、
サブスクとの相性の良いアーティストの台頭も目立ち始めている。
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7.ジュース・ワールドの急死
ロックそのものの高齢化もあり、ここ最近はアーティストの死去のニュースも少なくないが、まさかの21歳の若さで世界に衝撃を与えたのがラッパー、
ジュース・ワールドの急死だった。
まだ21歳。若者たちの間で絶大な人気を誇りながらも、音楽的可能性に関してはまだこれからでもある
エモ・ラップの代表的存在となりつつあった彼だったが、移動中の飛行機の中で怪死。このジャンルの人気に火をつけた
XXXテンタシオンや
リル・ピープ同様、若くして命を失ってしまった、
<取材・文/沢田太陽>