COP25閉幕。グテーレス国連事務総長の落胆と、閉会後のグレタさんを巡る騒動
ところで気になるグレタさんは
帰路のグレタさん、ドイツ鉄道でちょっとしたトラブルに
ドイツ鉄道の特急列車に乗ったグレタさん一行は、満員だったため、しばらく床に座っての乗車を余儀なくされた。グレタさんはそのことを写真付きでツイートしたが、すると、そのしばらく後、ドイツ鉄道のツイッターアカウントが「グレタさんらを1等席でもてなした」とする2つのツイート(1、2)を投稿したのだ。 ドイツ鉄道によるこれらのツイートは、半分が本当で半分が嘘の、非常に誤解を招くものだったのだが、一部のグレタ・アンチな人物らがこれに飛びつき、「本当は席に座っていたグレタが、ポーズのため“床に座っている”と嘘を言った!」と騒いだのだ。この事態を重く見たドイツ鉄道は、プレスリリースを出して事の経緯を説明した。 そのプレスリリースとグレタさんによる補足ツイート、そして、グレタさん一行と同じ列車に乗っていたジャーナリスト/弁護士の Alexandra Urisman Otto さんの証言によると、事実は次の通りらしい。Traveling on overcrowded trains through Germany. And I’m finally on my way home! pic.twitter.com/ssfLCPsR8o
— Greta Thunberg (@GretaThunberg) December 14, 2019
グレタさんらはスイスのバーゼル(Basel)からドイツ鉄道の特急列車ICEに乗り、ドイツの南西部から北部へ進むルートをとった(参照:ICEの路線図 )。この時、まずバーゼルから乗るはずだった列車が運休となり、そこで恐らく、取っていた座席の予約がキャンセルになった。そのため、後続の満員電車に乗ることになり、バーゼルからしばらくは床に座っていた。 その後、徐々に空き席ができ、まずグレタさんの同乗者がフランクフルト(Frankfurt)で、ついでグレタさんがカッセル(Kassel)からゲッティンゲン(Göttingen)の間で、そして、Ottoさんがハノーファー(Hannover)で、やっと座席にありつくことができた。つまり、途中までは床に座っていたが、途中からは座席に座ることができた、というわけだ。 グレタさんが席を得ることができた駅について、ドイツ鉄道側はカッセル、グレタさんとOttoさんはゲッティンゲンと証言しているが、カッセルからゲッティンゲンまではICEでたった一駅のため、両駅の間のどこかで席にたどり着き、そして、席について最初に到着した駅がゲッティンゲンだった、と考えれば何ら矛盾はないだろう。 以上のように、この件は誤解を招くツイートをしてしまったドイツ鉄道に落ち度があったと言えるだろう。近年、ドイツ鉄道は列車の運休や遅延などが頻発しており、いささか評判が悪いようだ。その上さらに、有名なグレタさんを床に座らせたことで評判が地に落ちてしまったら…とでも考えたのだろうか、ドイツ鉄道のツイートやプレスリリースからは、いささかの焦りが感じられた。 世界的な有名人となり、一挙手一投足までもが報じられるようになってしまったグレタさん。もうしばらくは何かと大変そうだ。 そのグレタさん、その後、「Home!」と元気そうにツイートし、無事にスウェーデンの自宅に到着したことを報告している。この、めげない感じのグレタさんが、筆者はとても好きだ。 <文/井田真人>I travelled on the same trains as @GretaThunberg this weekend. We both sat on the floor in two trains (se video in link from the first one). She sat on a regular seat from Göttingen, me and my colleague @rogerturesson from Hannover. https://t.co/cSKO39m9Ug
— Alexandra Urisman Otto (@alexandra_u_o) December 16, 2019
いだまさと● Twitter ID:@miakiza20100906。2017年4月に日本原子力研究開発機構J-PARCセンター(研究副主幹)を自主退職し、フリーに。J-PARCセンター在職中は、陽子加速器を利用した大強度中性子源の研究開発に携わる。専門はシミュレーション物理学、流体力学、超音波医工学、中性子源施設開発、原子力工学。
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