ヤフー・LINE統合の裏にある孫正義会長の思惑とは? 闇株新聞が読み解く

過去最悪の赤字を記録した原因は“投資下手”にあり

11月18日に経営統合を発表したヤフーの川邉健太郎社長とLINEの出澤剛社長。新生Zホールディングス誕生後に両者は共同代表に就任する予定だ 写真/産経新聞社

 ’19年7~9月期のソフトバンクGは連結最終損益が過去最悪の7001億円の赤字に転落した。足を引っ張ったのは、ソフトバンクGの連結対象である1兆円ファンドのソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)。グループ本体とSVFを通じて約1兆円も投資してきた米シェアオフィス大手のウィーカンパニーは、巨額赤字とコーポレートガバナンス上の問題から’19年9月に予定していた米ナスダック市場への上場を延期して、株の評価額が大暴落。これだけでソフトバンクGは5000億円、SVFは3700億円もの評価損を出している。さらにSVFを通じて投資した米ライドシェア大手のウーバーは上場時の初値から30%も値下がりし、ビジネス向けチャットのスラック・テクノロジーズも初値から50%下落するなど散々な成績。今やソフトバンクGは火の車にあるのだ。  では、LINE統合の目的は何か? それは“財布”だろう。’18年に携帯電話会社のソフトバンクを上場する直前、同社は1兆6000億円もの借り入れを行い、ソフトバンクGはそれを元手に自社株買いや有利子負債の返済を行った。17兆円もの有利子負債を抱え、社債の格付けがジャンク債落ち寸前にあるソフトバンクGは常に資金調達に窮しているのだ。いかにZOZOやLINEを利用するのか? ’20年は孫会長の“剛腕”に注目したい。 【闇株新聞】 大手証券でトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった後、独立。’10年に「闇株新聞」を創刊。’18年に休刊したが、’19年7月に復刊。有料での情報配信も行う
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