2020年、仮想通貨は新たな局面に? リブラと「スーパー人民元」に注目

闇株新聞ロゴ  数多の経済事件の裏側を暴いて注目を浴びながら、’18年に突如休刊した闇株新聞が’19年7月に復活! パワーアップして帰ってきた闇株に、’20年の注目ニュースと、世界の景気&株価、仮想通貨の動向、値上がりが期待できる銘柄までを予想してもらった。

仮想通貨・「リブラ」規制後に本格化!? 

ザッカーバーグ氏

10月23日に米下院の公聴会に呼ばれたザッカーバーグ氏は「リブラは国益に適う」と主張したが…… 写真/APアフロ

 仮想通貨の世界は新たな局面を迎えるだろう。注目すべきはリブラと中国だ。  リブラはフェイスブック主導で設立したリブラ協会が発行する“予定”のステーブルコイン(価値が法定通貨などで裏づけされた仮想通貨)だ。その構想が浮上したのは’19年6月。月間アクティブユーザー数24億5000万人(’19年10月時点)を誇るSNS最大手が手がける新たな仮想通貨は“フェイスブック経済圏”に広く流通し、ほかの仮想通貨へも波及効果をもたらすとして、ビットコイン価格を一時140万円超にまで押し上げた。  しかし、その期待はすぐに剥落する。米国議会でリブラに対する反発の声があがり、10月になるとマスターカード、VISAなどが協会からの離脱を決定。ついには米下院が10月23日にマーク・ザッカーバーグ氏を公聴会に召集。「米規制当局の承認がなければリブラは発行しない」と明言させたのだ。

当局が問題視した「通貨発行益」

 当局が問題視したのはリブラが〝通貨発行益〟を侵害するおそれがある点だ。リブラは資産の裏づけとして米ドル、ユーロ、円、ポンドなどを準備通貨として保有する。その中で最も多くの比率を占めるのが米ドルの50%。この通貨発行益とは、米国においてはFRBが取得している国債の利息収入にあたる。FRBはリーマン・ショック以降の量的緩和で莫大な国債を買い入れて、米ドル紙幣を供給し続けてきた。その国債保有によってもたらされた利益は、ざっと’17年時点で8.7兆円近くに達すると推察される。  仮に協会が米ドル紙幣と米国債を大量に買い入れてリブラを発行すれば、FRBのバランスシートから同額分が切り出される。ザッカーバーグ氏の言う「安価で迅速な金融サービスを世界的に提供する」ためのコストは、通貨発行益の流用にすぎないのだ。
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