優れたシンガー、ソングライター、ダンサー、そしてサウンド・クリエイターで女優でもあるジャネール・モネエは間違いなく、2010年代を代表するマルチ・スター。そんな彼女は自身の性的指向をパンセクシャル(すべての愛に対応可能)であることをカミング・アウトしていることでも知られている。彼女がそうした性的指向の問題などを軸とした社会問題を強く提起したのが現時点での最新作の本作。
シングル・ヒットした「Make Me Feel」で自身の性的指向を実質的にカミングアウトしているほか、「Pynk」「Don’t Judge Me」でもLGBTを中心とした女性のパワーを高らかに祝福。さらにエンディングでは黒人の人種問題に言及。オバマ元大統領の、差別なき理想の社会を謳った名演説をサンプリングした、その名も「Americans」で、アメリカ合衆国が本来あるべき自由の理想を訴えている。
『Joy As An Act Of Resistance』Idles(2018)