京都大学で学生処分に反対する集会が開かれる。「オルガ像処分」学生や教授が大学当局に抗議

京大で今月10日に開かれた「熊野寮生3名無期停学撤回集会」

北村さんを排除しに現れた職員に学生たちが抗議

北村さんを排除しに現れた職員に学生たちが抗議

 今月10日の昼休み、京大・吉田南キャンパス総合人間学部棟前(通称:総人広場)は異様な熱気に包まれていた。着ぐるみやお面で仮装した学生が何人も現れ、門前ではカレー・豚汁・スイートポテトが無料で配られ、学生はもちろん学外の市民などもそれを広場に持ち込んで食べていた。  学園祭か何かと見まがう光景だが、その中心でマイクを手に取って学生たちが訴えていた内容は極めて切実なものだ。この集会は、今年の9月に「不審者を取り押さえようとする職員の行為を妨害した」等の理由で3人の学生に下された無期停学処分を撤回するよう訴える目的で開かれたのだ。  集会では「オルガ像処分」の記事で紹介した理学部4年生のNさんも発言した。また学生だけではなく京大・総合人間学部教授の細見和之氏・江田憲治氏も教員の立場から抗議の訴えを行った。そして集会には無期停学処分を下された3学生のうちの一人である工学部4年・北村剛さんも登場した。北村さんを学内から排除しようと現れた京大職員を取り囲んで学生たちが一斉に抗議し、学生の力で職員を追い返す一幕もあった。  大学は学問の府として憲法により自治を保障されているとされるが、それは決して大学が社会から孤立した閉鎖空間であることを意味するものではない。今月の初めには学生団体が都内で記者会見を開き、就活セクハラ問題への対策が全社会的問題であると訴え話題を呼んだ。大学で学生が直面する問題は同時に社会的な問題でもある。この記事ではそのような観点から今回の集会の意義を考え、そこで訴えた学生らの声をお伝えしていきたい。

「オルガ像処分」当該のNさんの訴え

 Nさんは今年の入試当日に「折田像」ならぬ「オルガ像」を設置した際、現場での職員とのやり取りが問題にされ現在処分を検討されている。Nさんは以下のように発言した。 「僕は今年の入試でオルガというアニメキャラクターの像を立てたことで停学処分になりそうになっています。そもそも何故オルガ像を立てたのかというと、僕が受験生だった頃、当時『ごちうさ』(編集部注:漫画作品『ご注文はうさぎですか?』のこと)の立て看などがあって元気づけられ、僕も同じことをやって受験生を励ましたいということでオルガ像を立てました。  像を立てると職員から注意され、何故像を立ててはいけないのかと抗議したら、『職員の指示に直ちに従わなかった』ということで呼び出しを受けることになりました。職員に従わなかったら、抗議したら処分されるなんてことが許されるようでは、大学は独裁国家のようになってしまいます。  僕はこの前オルガ像を立てた当時の入試の委員長に会ってきたんですが、『オルガ像はまったく入試の妨害にはなっていなかったし、報告もされていなかったからそんなことは知らなかった。問題がなかったことを問題にして処分にしようとしているんだ』と言ってました。さらに、入試当日にオルガ像を撤去したあと、入試時間中に職員が折田先生像や他の立て看板を撤去したことに対して委員長は怒っていて、それに抗議する報告書を出しているんです。しかしそれは印刷されずにもみ消されたそうです。  委員長の目から見て入試を妨害していない僕が処分され、入試の妨害と見られる行為をした職員が処分されないというのはおかしな話です。  何故こんなことになってしまっているのか。学生への停学処分や立て看板撤去などの問題の根本は、総長や他7名の理事の意向として行われている点にあると思っています。総長や副学長だけでなく、他の理事のやっていることにも学生は目を光らせていてほしい」  「オルガ処分阻止」は三学生への無期停学処分と並ぶ今回の集会の眼目であり、集会には「学生は止まるんじゃねぇぞ」と書かれたノボリが出現した。他にもオルガ団長のお面をつけた学生や、Nさんに大学から送られてきた文書に記載のある「ギャラルホルンさん撮影やめてください」等の「問題になった言動」を書いた傘を持参した学生もいた。
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細見和之教授「私の背後には最低20人の教員が控えている」
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