音楽の「サブスク」、アーティストの本音やいかに? AYA a.k.a. PANDAと語る現状<ダメリーマン成り上がり道#24>
登場から数年のうちに音楽業界を一変させたサブスクリプションのビジネスモデル。iTunesやSpotifyでしか音楽を聞かない若年層が増える一方で、アーティストの側でも確かな収益を上げられる人たちが増加している。
戦極MCBATTLE を主催するMC正社員の連載『ダメリーマン成り上がり道』の第24回は、ラッパー・AYA a.k.a PANDAとの対談。今回はそんなサブスクリプションのビジネスについて話し合う。
――SpotifyやiTuneのサブスクリプションが登場してから、音楽の聞かれ方が変化した実感はありますか?
AYA a.k.a. PANDA (以下、AYA):「ありますね。こんなに聴いてくれている人が沢山いるんだなって単純に驚きますし。私の場合は、Spotifyのフォロワー数のほうがTwitterやインスタのフォロワーより多かったりするんで、『私自身よりも私の音楽を好きな人が多いんだな』みたいに思ったり」
正社員:「『甘えちゃってSorry 』の再生回数、1500万回超えてるじゃん! すげえな」
――純粋に音楽を聴いて、その曲のファンになった人がいるということですね。
AYA:「そうですね。だってアヤパンって聞いても誰だかわからなくても、『甘えちゃってSorry 』とか『ワガママPINKY』『Show Me Love』って曲は知っている人は多いですから。
このあいだバーに行ったとき、友達がカラオケに私の曲を入れたんですけど、そしたら他のお客さんも『あーこの曲好き!』とか反応してて。私が歌うのに合わせて『いい車ー』とか一緒に歌ってるんだけど、『この曲は私の曲で、それを私が歌ってるんだけど、全然気がつかないじゃん!』ってなりました(笑)」
正社員:「『ご本人登場!』みたいにすればよかったのに」
AYA:「でも、私が歌ってても全然気がつかないんですもん。別に気づかれなくてもいいし、伝えなくてもいいと思ったんで、そのまま過ごしていました」
正社員:「たしかにアーティストの名前は知らないけど曲は知ってる……って人は増えてるかも。キャバクラの女のコが『BAD HOP好き~』とか言ってたから、『じゃあYZERRとか好きなの?』ってメンバーの名前を出したら、『え、ワイザーって何?』って。メンバーの名前、一人も知らないの」
AYA:「それも凄いですね。BAD HOPでもそんなことあるんだ」
正社員:「うん、びっくりした」
――アーティストとしては「いまサブスクリプションをやらない手はない」って感じですか。
AYA:「全然そうですね。もうサブスクで利益がバッチリ出る状況なので、これからもフツーに続けます」
――一方でCDについては、6月に1000枚限定でリリースをして即完していましたね。MVも公開していて、サブスクリプションで聞ける状態でも、まだ買ってくれる人はいるわけですか。
AYA:「たぶんサブスクリプションで聴いたうえで、CDでも買ってくれている人が多いと思います」
正社員:「それは本当のアヤパンのファンなんでしょ?」
AYA:「だと思いますね。あと未発表曲も2曲入っているので、それを聴きたい人もいるでしょうし、モノとしてCDを持っておきたい人もいると思います。あと歌詞カードを見たいとか」
TwitterよりSpotifyのフォロワーが多い
サブスクで聴いたうえでCDも買うファン心理
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2019.12.03
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