12月と言えば「アドベントカレンダー」。IT技術者もこの風習を楽しんでいた!

アドベントカレンダー

Annalise Batista via Pixabay

アドベントカレンダーとは? ITとの関係は?

 アドベントカレンダーというものを知っているだろうか。Googleで画像検索をすると、1から24までの扉がついた箱や家の模型の画像が多数出てくる。クリスマスまでの毎日、この扉を1つずつ開けて、小さなプレゼントを取り出す。子供向けのものはお菓子が出てくるものが多い。アメリカのクリスマスシーズンの映画では、時折見かけることがある(参照:コトバンク)。  アドベントは、Advent と書く。意味は、出現、到来、キリストの降臨。そして、待降節。待降節はキリスト教会の聖節だ。キリストの再臨に備える期間で、11月30日に最も近い日曜日からクリスマスの前日までの約4週間を指す(参照:コトバンク)。  子供が大喜びしそうな仕組みのアドベントカレンダーだが、IT界隈の人にも馴染みが深い。近年、このアドベントカレンダーに模して、12月に毎日日替わりで記事を公開するリレー企画が盛んにおこなわれている。こちらは1から25日まであるのが一般的だ。  20年前には見なかったが、この10年ほど頻繁に見る。海外では2000年には存在していたそうで、日本では2008年頃から見られるそうだ(参照:Qiita:Zine)。体感的には、2010年代になってから見かけるようになった。  様々なジャンルのアドベントカレンダーが立ち上がり、有志が1人1日を担当して記事を書いていく。ものによっては、1人で複数、あるいは全部書くケースも存在する。まばらにしか埋まっていなかったり、完走せずに途中で放り出されたものがあるのはご愛敬だ。  一種のお祭り企画なのだが、ネット上に期間限定の研究会が立ち上がったような楽しさがある。普段、技術系ブログを書いている人の記事でも、いつもとは違う毛色の内容を上げたりする。同じコミュニティの人向けに、ネタを仕込んでくる人もいるので、ただの技術紹介とは違う話になっていたりもする。  このアドベントカレンダーを見ることで、IT技術者のトレンドであったり、興味であったりを知ることができる。そうしたIT技術系のアドベントカレンダーを、少し覗いてみよう。

どんなアドベントカレンダーがあった? 過去を振り返る

 日本でよく見かけるアドベントカレンダーには、Qiita Advent Calendar と、Adventar が存在する。それぞれ各年に、カレンダー数と参加者数が掲載されているので、まずは、その数字を見てみよう。 ◆ Qiita Advent Calendarのカレンダー数・参加者推移Advent Calendar – Qiita2011年 カレンダー数 1 参加者数 25 2012年 カレンダー数 29 参加者数 579 2013年 カレンダー数 82 参加者数 1526 2014年 カレンダー数214 参加者数 4014 2015年 カレンダー数377 参加者数 7161 2016年 カレンダー数499 参加者数 9689 2017年 カレンダー数591 参加者数11474 2018年 カレンダー数667 参加者数12837 2019年 カレンダー数715 参加者数11129(記事執筆時点) ◆Adventarのカレンダー数・参加者推移これまでの Adventar Calendar – Adventar2012年 カレンダー数 42 参加者数 793 2013年 カレンダー数229 参加者数 3827 2014年 カレンダー数311 参加者数 5193 2015年 カレンダー数507 参加者数 8471 2016年 カレンダー数567 参加者数 9224 2017年 カレンダー数639 参加者数10976 2018年 カレンダー数829 参加者数13767 2019年 カレンダー数788 参加者数11071(記事執筆時点)  どちらも、この2~3年は参加者数が1万人を越えており、カレンダー数も500を越えている。特徴としては、Qiita が元々エンジニア向けのサービスのため、IT系の内容で占められている。対して、Adventar は、IT系に限らず多様なカレンダーが見られる。  今回は、IT系に話を絞って進めるので、Qiita のAdvent Calendarを追ってみよう。
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Qiitaのアドベントカレンダーに見る「IT技術者」のトレンド
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