無断キャンセルをしたときの予約手段では
グルメサイトがトップだったが、キャンセルしなかった場合も含めた予約手段としては、
電話が42.4%と最も多い。約1年半前の調査と比較すると、12.5%の減少が見られるものの、電話の方が直接店員とやり取りできるため、根強く支持されているのだろう。
これが、ウェブ予約の場合はどうだろうか。確かにスマホを使えば、数回のタップや操作で予約を完了できる。ただ、飲食店からの予約可否の連絡を待つ「リクエスト予約」の場合だと、スマホで入力した時点では予約できない。
また、筆者の経験談ではあるが、グルメサイトで空いている日付を入れて予約完了したはずなのに、数時間後に飲食店から電話がかかってきて、「あいにく団体貸切で予約不可」と言われたことがある。
一度電話をすれば予約可否がすぐにわかることからも、電話予約した方がスムーズなのかもしれない。
飲食店の無断キャンセルについて調査を開始した2018年4月時点では、「キャンセル料支払いを妥当(1人1万円以上の高級レストランの場合)」と回答した割合は61.1%だった。
今回改めて調査した結果によれば、11.4ポイント増加して72.5%に達することがわかった。また、高級レストラン以外のカジュアルなお店や居酒屋の場合でも59.0%に上る結果となった。
これは、無断キャンセル被害に遭う飲食店の実態がTVや新聞、Web媒体などで大きく報じられ、SNSによって広く拡散したことで「飲食店の無断キャンセルは社会倫理に反する行為」という認識が高まったと言える。
飲食店の無断キャンセルを未然に防ごうと、グルメ予約サイトではキャンセルポリシーの表示が実装され、予約者に注意を促すようになってきている。また、弁護士が予約の無断キャンセル料を回収するサービス「ノーキャンドットコム」、キャンセルによって発生した食品ロスを削減するフードシェアリングサービス「Reduce Go」や「TABETE」など、無断キャンセルから派生したサービスも生まれている。
飲食店にとって無断キャンセルは痛手だが、万が一起きてしまった場合の保険も、このようなサービスが普及すれば賄えるのではないだろうか。
無論、予約者のマナーや責任が問われることには相違ないので、一人ひとりの自覚が大切になってくるだろう。
<文/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。