BBCが「犯罪の温床」とも言われるダークウェブ上にミラーサイトを開設したワケ

国家検閲がある国の人にオープンな情報アクセスを

 身元を隠して情報を得たり送ったりできる Tor の技術は、犯罪的な行為と相性がよい。違法な情報や、児童虐待映像のやり取り、取り引きが禁止されている薬物の売買。こうした目的のために、自分の正体を隠して他人と繋がりたい人間はいくらでもいる。そうした用途で利用している人が多いのも事実だ(参照:WIRED.jp)。  しかし、違法であったり、禁止されていることは国よって違う。国外の情報へのアクセスが罪になる国もある。そうした国ならば、インターネットを通して世界の情勢を知ることが違法になる。国家による検閲がおこなわれている国もある。そうした国ならば、自由に国外と通信しようとすれば法に触れることになる。そうした環境にいる人が、外部の情報を得たり、メッセージを交換したりするのに Tor は使われる。  BBCが先月開設した「bbcnewsv2vjtpsuy.onion」(.onion は Tor 向けの仮想ドメイン)は、自由なネット利用が禁じられた人々が、世界の情勢を知るための窓になるサイトだ。自由に海外の情報が得られない人々にとって、BBCほどの大きなメディアが、アクセス可能な情報を提供してくれるのは大きい。  情報が制限された国は、世界では決して少数派ではない。日本に隣接した中国は、その一例である。実際に、BBC 自身の Tor サイト開設のニュースにも書いてある。「中国、イラン、ベトナムを含む国々は、BBCニュースのウェブサイトまたはプログラムへのアクセスをブロックしようとしている国です」と。

Tor を利用するにはどうすればいい?

 Tor を利用してWebブラウジングするなら、今なら Tor Project の公式サイトから配布されている Tor Browser を使うのが手っ取り早い。  Mozilla Firefox をベースに開発されており、執筆時点でバージョンは 9.0.1 になっている。Tor Project は、元々 Firefox 向けにアドオンとして Torbutton を提供していた。しかし、利用方法を間違うと匿名化に失敗するといった問題を抱えていたため、単体のWebブラウザとして提供する方針にシフトした(参照:Engadget 日本版)。  プライバシーが求められる世の中の動きに合わせてか、近年では Mozilla が、Firefox に Tor を組み込んだ「スーパープライベートモード」を搭載するかもしれないといった情報も出てきている(参照:マイナビニュース)。  その他では、JavaScript の開発者ブレンダン・アイクが開発した、Webブラウザ Brave に、Tor プライベートタブを開いてブラウジングする機能がある。このWebブラウザは「プライバシーを重視した高速かつ安全な次世代Webブラウザ」というキャッチフレーズが付いている。「安全な」の部分に、Tor プライベートタブが一役買っているわけである。
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技術の「善悪」を決めるのは使い方次第だ
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