沖縄での統一教会による策動には米軍基地移設問題をめぐる事象との関連も浮かび上がる。
今年9月、普天間基地の辺野古移設促進を求める意見書が宜野湾市議会など4つの地方議会で可決、今月6日には宮崎正久議員が宜野湾市議会の与党会派の市議団と共だって外務省を訪れ意見書を提出している。意見書のもとになったのが10日の統一教会集会に来賓参加した平安座唯雄・元宜野湾市議による移設促進の陳情だ。平安座が作成した辺野古埋め立て賛成のチラシと今年2月に沖縄県内で出回った県民投票をめぐるチラシについて、それぞれ八重山日報と琉球新報が報じているが、これらを今回の教団集会で配布されたチラシと比べてみるとデザインや色遣いが酷似していることに気付く。
配色などデザインが酷似する3つのチラシ、八重山日報(中)琉球新報(右)
「市民」から陳情を出して地方議会で決議し中央に提出するやり方は本連載の中でも触れた国際勝共連合の手法との近似性を感じさせる。
〈参照:家庭教育支援法制定をめぐる勝共連合の策動|HBOL〉
地方での教団イベントに参加する自民党議員の事例は他の県でも見つかった。
今年8月3日、兵庫県神戸市垂水区の舞子公園で統一教会のプロジェクトである「PEACE ROAD 2019 in Japan」のセレモニーが行われ、先の参院選で初当選を果たしたばかりの兵庫選出の加田裕之参議院議員(自民党)が来賓として信者を“激励”していたのだ。
加田議員の事務所に教団イベント参加の経緯や支援の有無などを問い合わせた。電話口の秘書は「日々いろんなイベントにお伺いさせてもらっているので何か月も前のことを聞かれても」と返答。質問書を送信したが期限までに回答はなかった。
今回取材した政治家サイドの反応からは、「地元でのイベントだから」「案内があったから」などと安易に参加した傾向がみられる。
そこで改めて比較したいのが
本連載で報じた原田義昭前環境大臣の弁明だ。今年10月、教団関連イベントで来賓挨拶を行った件について筆者が送信した質問書FAXに対し、前環境相は電話で回答。統一教会やその関連団体を「普通の良識ある組織や団体」と評し、教団イベントに来賓出席することの正当性を主張した。
〈参照:
前環境大臣・原田義昭氏激白。「統一教会イベントに自民党から10名が出席」|HBOL〉
今回、その際の原田議員からの電話回答の音声データを以下に公開する。(※なお、配信先によっては音声データが表示されない場合もございますので、その場合はHBOL本体サイトにて御覧ください。)
(文中一部敬称略)
<取材・文/鈴木エイト>