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ソニー生命保険が中学生や高校生を対象に行う「
中高生が思い描く将来についての意識調査」。
今夏発表されたその調査結果が一部で話題を集めた。
「
具体的な将来の夢」として男子中学生が回答した職業人気ランキングの上位が、親世代には馴染みの薄いものとなっていたのだ。
1位「YouTuberなどの動画投稿者」(30%)
2位「プロeスポーツプレイヤー」(23%)
3位「ゲームクリエイター」(19%)
同調査で男子高校生から得られた回答を見てみても3位に「YouTuberなどの動画投稿者」(12.8%)、4位に「ゲームクリエイター」(12.3%)と並んでいる。
このように昨今の男子中高生が憧れる「夢の職業」。そんな夢の職業とは無縁と思われる差し押さえ・不動産執行の現場にも、夢の残骸が足元に散らばる事案があった――。
ポエムとともに夢を売る。
昨今の時流に乗った、少々“夢先行”感の否めない高級志向マンション。そこまで広いわけでもないエントランスには、誰が弾くわけでもないグランドピアノがポツンと置かれ、暇を持て余している。
一歩外へ出てみると、人影もまばらな街並みに大型スーパーが一つ。
付近に背の高い建物はなく、利用客の乏しい小さな駅が遠目に見えている程度と、描かれる夢は敷地内に留まっていた。
それでも分譲価格帯は“夢の対価”と言わんばかりの掴みにくいもの。
このような価格帯の中でもさらに “ワンランク上”とされる一室に、我々差し押さえ・不動産執行人がゾロゾロと顔を連ねている。
全員が玄関先で強制解錠の行方を見守っているのは、当初の段階から債務者の応答が一切なく、現在の居場所もつかめていないため。
夢の高級マンションではあるが、施錠の構造的抜け穴は庶民派マンションと何ら変わりはない。いつも通りに、ものの数分で扉はこじ開けられることになった。
ここから“いつも通り”と行かなかったのは、扉が開いた瞬間に広がる異臭と不思議な光景が原因だった。