最後のJR四国松山運転所一般公開屋外展示でも見られた、JR四国の「新幹線への執念」

 前々回前回に引き続き、今回もJR四国松山運転所一般公開について写真を主体にお伝えします。今回は、屋外展示編です。

展示されていた車両

JR貨物EF65-2087電気機関車

JR貨物EF65-2087電気機関車2019/10/19撮影 牧田寛

 まず目に付いたのは、JR貨物の展示です。直流電気機関車EF65-2087(1977年川崎重工・富士電機製造)にムーンライトのヘッドマークを付けていました。このヘッドマークがかつてのムーンライト松山のものか、貨物列車のものかその正体は全く分かりません。  このEF65は、1965年に配備の始まったもので筆者の小学生時代の鉄道図鑑には、新系列電気機関車と紹介されていましたが、途中改造を経て製造後42年経過しても現役で本州四国を走り回っています。
JR貨物EF65-2087電気機関車側面

JR貨物EF65-2087電気機関車2019/10/19撮影 牧田寛

 夜行客車列車の事実上の廃止によって旅客輸送からは撤退しており、JR貨物においても新型電気機関車の配備によって数を減らしています。  松山駅からは、荷役線18:00発、本線20:52発の一本だけで、全列車大阪・吹田貨物駅で積み替えをしますので、貨物駅としては小規模です。対九州、対中国貨物も一旦大阪・吹田に行きますので、到達日数は、大阪と一部の駅は翌日ですが、九州で3〜4日後とコンテナとしては速いとは言えません。一方で北海道の場合は、同じく4日後でトラック輸送に比して大きく見劣りはしません。  次が国鉄キハ32形気動車とJR四国7000系電車です。キハ32は、国鉄分割直前に手切れ金代わりにおいて行かれたものですが、国鉄末期だけに経済設計が徹底しています。
キハ32-12とJR四国7105

キハ32-12とJR四国7105 2019/10/19撮影 牧田寛

 車体が短く狭いのでどんなに悪い線形の路線にも入れる一方で、軽すぎて勾配のきつい区間では車輪が空転して走れなくなる、トイレがないなど不具合がありますが、ホームのかさ上げ未了駅が多い愛媛県内では、新型の1000系気動車が使えないので松山運転所と高知運転所に集まっています。八幡浜駅・宇和島駅間では、空転で急坂をまともに登れないために運行されていません。  JR四国7000系電車は、二両一組または一両のみで運行できる近郊・通勤兼用電車です。ドア配置、座席配置などJR四国専用仕様の電車ですが、やはりトイレが無いために長距離運転には向かないため、瀬戸大橋線には乗り入れていません。
JR四国7012

洗車体験で一日中洗われていたJR四国7012 2019/10/19撮影 牧田寛

ホーム嵩上げ未完成区間故に生き残る国鉄型

 次は国鉄キハ54形気動車ですが、これは前々回ご紹介したラッピング列車です。標準色のものは、写真のように少し離れて留置されていました。キハ54形も国鉄末期に手切れ金代わりにおいて行かれたものですが、エンジンが二台あり、単行運転も可能なことから急坂でも走れる汎用性の高さがあります。やはりトイレはありません。
留置中のキハ32-6とキハ54-9

留置中のキハ32-6とキハ54-9 2019/10/19撮影 牧田寛

 これら国鉄時代の一般型気動車は、陳腐化(ちんぷか)が著しく、本来1000形気動車で淘汰されるものなのですが、ホームのかさ上げ未完成区間が多い愛媛県内の非電化区間では、1000形が使えないために国鉄型のキハ32形とキハ54形が高知と松山に集まっています。その中でキハ54形は、八幡浜・宇和島間の急坂をキハ32形が走れないために松山運転所に集められています。  次が特急型のJR四国2000系気動車です。特急宇和海向けで松山・宇和島間で運行されています。かつては、一部岡山まで乗り入れていましたが、2016年に系統分離されました。
転車台体験中のJR四国2117

転車台体験中のJR四国2117 2019/10/19撮影 牧田寛

JR四国2117

転車台体験を終えたJR四国2117 2019/10/19撮影 牧田寛

 この形式は、気動車特急に革命をもたらしたと言えるもので、JR四国ご自慢の形式なのですが、初就役から30年経過しておりその間に発達した高速道路網との激烈な競争に晒されています。  近く新型のJR四国2700系気動車との置き換えが始まりますが、余った2000系が松山運転所に押し寄せてくるでしょう。  特急型気動車としては、国鉄キハ185系気動車も配置されていますが、奥に引っ込んでいて展示されていませんでした。3階から撮影した写真には奥に小さく写っています。  最後は、JR四国8000系電車です。特急いしづち、しおかぜとして松山・岡山・高松間で運行されています。一部の線形が悪い予讃線での高速走行を可能とした優れた車両です。やはり運用開始から30年近く経過しており改造が行われました。また、架線下DC(気動車)運行であった2000系の置き換えとして8600系が配備されています。
JR四国8000系アンパンマン電車

展示中のJR四国8000系アンパンマン電車2019/10/19撮影 牧田寛

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一般公開のお楽しみ、「さまざまな乗車体験」
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