もう一つの注目ポイントは、永田町の“台風の目”のような存在となった山本太郎・れいわ新選組代表。11月16日の朝日新聞にはこう報じられていた。「国民(民主党)幹部は『(松本氏は)良い戦いをする候補だ』と指摘。先の参院選でも注目に集めた、れいわ新選組の山本太郎代表に応援要請し、共闘の成果を示した考えだ」
ちなみに
松本氏は「高知の山本太郎」と呼んでも違和感がないほど両者の主張は酷似している。
「誰もが切り捨てられない社会を」と訴える山本氏に対して、松本氏は「
誰一人取り残さない県政へ」を旗印に掲げる。安倍政権が成立させたTPPなど悪法廃止や消費税廃止を主要政策に山本氏が掲げれば、松本氏も高知の人口減少に歯止めがかからない要因としてTPPや消費増税をあげ、国の政治を変えないと訴えているのだ。
告示日の7日、街宣を終えた松本氏に「山本氏に応援要請という朝日新聞の記事を読みました」と声をかけると、こんな答えが返って来た。
「周りの方が要請をしています。一緒にやっていけるところはやっていきたいと思っています」。
全国ツアー中の山本氏が合間を縫って高知で応援演説をするか、現地まで足を運ぶ時間的余裕がなくてもネット上で支援表明をするだけでも、松本氏には大きな追い風になるのではないか。
「消費税5%減税を旗印にした野党結集・政権交代」を呼びかける山本氏は、安倍政権へのさらなる一撃になりうる高知県知事選を左右するキーマンの一人であるのは間違いない。天下分け目の決戦の様相を呈してきた高知県知事選の結果が注目される。
<取材・文・撮影/横田一>