落とし穴だらけの消費増税に伴うポイント還元と、そこから見える「切り捨て」政策

ポイント還元の表示が掲げられたコンビニ

消費税が10%に引き上げられた1日、キャッシュレス決済時のポイント還元の表示が掲げられたコンビニに入る買い物客(時事通信)

ポイント還元の尋常ならざる煩雑さ

 令和元年10月1日。消費増税とともに始まった景気対策が消費税の最大5%のポイント還元だ。10月末の報道によると、一日約10億円の国家予算が使われているらしい、このペースで行くと当初確保した1780億円ほどの予算では予定の来年の6月30日まで間に合わない可能性も出てきた。  これは、クレジットカードやスマホ(QR)決済などキャッシュレスで買い物をする人が、ポイント還元の事業に参加している店舗で買い物する場合に最大5%分が還元されるものだ。キャッシュレスとは、クレジットカード、スマホ決済、電子マネー、デビットカードなどでの支払いだ。  ただ、この仕組み、非常に複雑だ。分かりにくい。私も還元されると使ってみたら、後になって対象でなかったと言うことが分かったりする。  例えば、よくいく店舗は、クレジットカード各社やスマホ決済など様々な方法で支払いができる。そして、キャッシュレスで5%還元のポスターが貼ってあるから、この店でクレジットカードなど現金以外で買い物をすれば、5%のポイント還元の対象だと思うのが当然だ。そして、クレジットカードで買い物をした。しかし、還元されないことがある。それは、その店でのキャッシュレスでの買い物の支払い方法はいろいろあっても、5%還元の対象がスマホ決済のPayPayだけが対象だったりすることがあるからだ。  これは、各店舗、各事業者が、5%ポイント還元の対象として何を申請したかによって違ってくる。つまり、消費者は5%ポイント還元の対象のポスターの下部に記されているどのキャッシュレス決済がポイント還元の対象なのかを確認する必要があるのだ。  しかし、一部の店舗は簡易な表示でどのキャッシュレス決済であれば還元の対象かを明示していない場合も多い。これだけでも複雑だしトラップだらけなのに、クレジットカードやスマホ決済各社のキャンペーンも加わることもあり、還元制度はさらに複雑になる。

決済会社独自キャンペーンでさらに複雑化!

 例えば、PayPayが還元の対象だときちんと確認した上で、3万円の商品を購入したとする。なぜならPayPayは2019年11月末まで政府のポイント還元とは別にPayPayが独自に別立てでさらに5%還元すると言うプロモーションを行っているからだ。国とPayPayから合わせて10%の還元があると宣伝している。税込3万円の商品を実質2万7000円で購入できたと思ったのだが還元されない。PayPayのプロモーション部分に関しては1回の還元を1000円までと上限を切っているので還元は25000円相当となる。国の制度での還元は3万円の5%分の還元、PayPayは5%の還元は1回につき1000円まで。つまり、PayPay社独自のプロモーションも含めて10%分まるまる得できるのは2万円以下の買い物に限るわけだ。  さらに、PayPayは1ヶ月の還元を国の枠もPayPayの枠も25000円までとしている。まあ、そんな人は少数だろうが、1ヶ月50万円までと言うわけ。  つまり、11月末までのPayPayを使っての買い物では50万円まで、合計5万円の還元の可能性があるのだが、それは、(1)PayPay社の決済ができる、(2)5%ポイント還元の対象業者(店舗)で、(3)その店舗がPayPayで5%ポイント還元の手続きをしていて、(4)1回の買い物が2万円以下、(5)月額50万円までと言う5つの条件をクリアした場合にのみ得することができると言うことになる。  もう複雑で面倒くさくて頭がグルグルになってしまう。  paypayだけに限らず、一般的に言うとこういうことだ。  (1)ポイント還元対象業者の店で、(2)店舗が指定したポイント還元の対象の(クレジットカードやスマホ決済などの)決済手段で、(3)決済事業者が定めた1回あたりの上限額以下の買い物を、(4)決済事業者が定めた1ヶ月あたりの上限金額までの買い物でなら、得ができるということになる。  この文章を1回読んだだけで、ああなるほどね! 分かったと言う人は少し変わり者かもしれない。面倒くさいなあと思うのが普通だと思う。  しかし、その面倒くささをクリアして得している消費者がいて、その人たちに毎日10億円の税金が戻されているのである。
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店員さえも頭を捻るシステム
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