水害、地震。自然災害大国日本で資産を守るにはどうすべきか?

災害に絡んだ投資対象「CAT債」とは?

 これまで資産防衛法を紹介してきたが、オフェンシブな手法もある。それがCAT(カタストロフィ=大災害の略)債だ。例えば、「契約期間中(3~5年)に、条件に合致する大地震は起きない」と予想し、大地震が起きなければ投資家は比較的高い利子を継続的に得られる。ファイナンシャルプランナーの完山芳男氏が解説する。 「CAT債が機関投資家に人気なのは、株式や債券など伝統的な投資対象との相関が低く、分散効果が高いうえ、3%前後と比較的高い利回りが期待できるからです。ただ、不測のリスクを引き受けるという性質上、個人投資家には不向きな投資対象と考えられがちなのも事実。国・地域や災害種類を分散したCAT債を複数銘柄組み入れた投資信託の形なら、ポートフォリオに組み込んでもいいと思います。ただし、元本割れリスクもあり、負の資産効果をもたらす恐れもあるので注意が必要です」  現在、日本で購入可能なのは「リビング・アース戦略ファンド」(年2回決算コース)など2本のみだが、災害大国・日本で生きる以上、備えあれば憂いなしだろう。 <資産防衛の3か条> 1 火災保険に加入していても水災特約がついているか注意! 2 地震による火災は火災保険ではカバーできない 3 公的支援を受けるには罹災証明がマストの条件! 【風呂内亜矢氏】 大手電機メーカー系SIer、マンション販売会社を経て、FPとして独立。近著『ケチケチせずに「お金が貯まる法」見つけました!』(三笠書房)ほか著書多数 【完山芳男氏】 FPオフィスK代表。米国公認会計士(ハワイ州)。日本FP協認定CFP。1級ファイナンシャルプランニング技能士。マネー系Webサイトへの寄稿など多方面で活躍する 取材・文/斎藤武宏
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