台風19号の被災地支援で痛感した、復興活動に潜む危険性とボランティア保険の必要性

被災地から出て処理を待つゴミ

被災地から出たゴミを整理。中には、触るだけでケガをするような危険物もある

 今回の茨城ボランティア参加にあたり、主催者から確認されたことがあった。「ボランティア保険には加入していますか?」  実を言うと、筆者はこれまでさんざん海外旅行に出ているが、旅行保険に入ったことがない。  そもそも論から言って、保険とは保険会社が設定する一種の「賭け」である。海外旅行保険とは、「めったなことで海外旅行中に病気やケガなど発生するわけがない」というほうに保険業者が賭けているわけだ。筆者は車にも乗らないし、危ない場所にもいかないし、いかがわしい場所に足を踏み入れて遊ぶこともない。  誰もが発病・ケガをするなら、保険会社が儲かってビルが建つはずがない。その証拠に、プロレスラーは生命保険に入ることができない。母数が少ない上、確実にケガをするので、保険会社から見ると負けがわかっているバクチだからだ。  とはいえ、ボランティアの参加条件が「保険加入」であり、指定の保険は500円で入れるとのことだったので加入したわけである。  午後に入り、今度は物置の整理をすることになった。  真っ先に目と鼻についたのが、コメである。長い間泥水につかっていたせいで悪臭を発している。かつて暮らしていたゲストハウスで別の住人が一週間コメを水に漬けたままにしていて悪臭に閉口したのを思い出した。  しかもここのコメを手に取ると、泥水に漬けた後適当に水が引いていきちょうど塩梅だったのか知らないが、芽が出始めている。泥水に浸かって一週間して、芽が出始めたコメの悪臭は、残念ながら言葉で表現できない。
汚水に浸かった発芽米

汚水に浸かった発芽米の悪臭は、言葉では表現できなかった

 そして物置の中にあるのは悪臭を発するコメだけではない。農作業用の機材もあれば、すでに木が朽ちて年単位で誰も触っていないとしか思えない棚もある。  ほかにも今や懐かしVHSテープを何十本も詰めた段ボール箱がいくつもあれば、家で使わなくなったありとあらゆるガラクタが詰まっているわけだ。家主の希望は一番奥に未使用のタイヤがあるのでそれだけは駐車場に残し、それ以外は全てゴミとして処分してほしいとのことであった。
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あらゆる場所に負傷の危険性が潜んでいる
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