国連は毎年9月21日を国際平和デーと定め、国際社会の平和を推進していく日として加盟国に呼びかけている。人類の歴史は、「争い」を通じて歩んできたと言っても過言ではない。
領土や利権を巡り、有史以来様々な戦争が繰り返され、多くの人や自然が犠牲になっていった。人類争乱の歴史は果たしていつまで続くのだろうか。
そんな中、今年6月には人類の悲願である世界平和の実現を目指すために、PEACE DAY財団が設立された。
「争いのない平和な世界を実現する」というビジョンのもと、国連の定めた国際平和デーを普及したり、企業・個人・行政など異なる立場を越えて協働し、平和の実現に向けた仕組みを作ったりすることが主な活動だ。
同財団が主催する
「PEACE DAY」は、国際平和デー当日の9月21日に幕張海浜公園の野外特設会場にて開催。
芝生が広がる自由な空間で、参加者それぞれが自由にフェスを楽しみつつ、地球の鼓動を感じたり世界平和を考えたりする機会となった。
音楽ライブやパフォーマンスなど様々あるコンテンツの中で、今回取材したのはトークイベントのエンディングを締めくくる「人類が地球に生き残るために」と題したセッションだ。
俳優でありながら映画監督やリバースプロジェクト代表を務める伊勢谷友介氏、PEACE DAY財団代表理事の株式会社LIFULL 代表取締役社長 井上高志氏、そして民間宇宙飛行士として活躍するASTRAX代表取締役の山崎大地氏らが登壇し、平和の実現のために必要な人間社会の変革や宇宙との関わり方について語った。
リバースプロジェクトは人類が地球に生き残るための会社として立ち上げたと語る伊勢谷氏。その考えに至った経緯について説明した。
「宇宙人の視点で地球を見つめたときに、人類社会はどう映るのかという考えが元になっている。自分たちの生活を壊している人類は地球上で唯一の生物であり、それを正としてこれまで歩んできた歴史を見直す必要があると思う。祖先を敬えとよく言われるものの、祖先が作ってきたものは人類争乱の社会で、地球に歪みを生じさせていることを我々は自覚するべき。夢を見て自分の生きたい人生を目指すのではなく、その先に何か課題があるのではと思う」
また、伊勢谷氏はエコロジカル・フットプリントについても触れた。エコロジカル・フットプリントとは、地球に存在する自然資源を鑑みて人類が今の生活を続けた場合、今後どのくらいの地球面積が必要かを表す指標のことだ。
「もし仮に、世界中が日本人と同じような暮らしをするなら地球2.8個分、アメリカと同じような暮らしをするなら地球5個分必要になる。つまり、現在の生活水準が未来永劫続かないという試算が出ているわけで、資源の枯渇や地球環境の悪化などに対し真剣に考えないといけない。祖先が作ってきた世界を変革しなければ地球の未来が危うい」
宇宙人視点で見たときに、地球という惑星体に住む人類は、今後どのようにすれば豊かな地球のもとに住み続けられるのか。このような視点で物事を考えるのが我々地球人(コスモポリタン)として大切な考えなのかもしれない。