ハヤカワ五味さん(左)とヨッピーさん(右)
「ブラック企業」「過労死」「パワハラ・セクハラ」という言葉を当たり前のように耳にするようになって久しい。最近でも、神戸市の小学校教員に対するハラスメント行為(と言っても、ハラスメントの範疇を超えた行為であり、傷害事件として対処すべき事例のように思うが)が明らかになった。職場環境に悩む人が少なくない中で、どうすればすり減らない環境を手に入れることができるのだろうか。
10月14日から16日にかけて、朝日新聞社主催「朝日地球会議2019」が開催された。「ひらかれた社会へ 多様性がはぐくむ持続可能な未来」をテーマに掲げ、3日間で多くのプログラム・講演が実施された中、16日には株式会社ウツワ代表取締役であるハヤカワ五味さんと、フリーライターのヨッピーさんが登壇。
18歳でアパレルブランドを立ち上げた若手経営者であるハヤカワさんと、商社勤務を経てフリーライターへと転身したヨッピーさんという個性的なキャリアを持つお二人が、「すり減らない働き方を考える」をテーマに、現代の働き方や「すり減らない」秘訣について語った。コーディネーターとして、朝日新聞社デジタル・イノベーション本部員の原田朱美さんも登壇した。
それぞれ経営者、フリーライターとして活躍するハヤカワさん、ヨッピーさんも、「すり減らされ」かねない状況に遭遇したことは多々あると語る。ハヤカワさんは、とある有名企業の経営者からTwitterのDMで飲みに誘われた際、
ホテルのロビーを待ち合わせ場所として指定された。違和感を感じて情報収集をすると、知人から「
ヤバい奴だから気をつけな」と言われ、結局飲み会には行かず最悪の事態を回避することができたという。
「インターネットでは一定強い(拡散力のある)はずの私に対してこういうDMを送れるということは、一般社会ではこうしたセクハラが横行しているのかも」とハヤカワさんは話す。
経営者、フリーランスとして仕事をする中で、たくさんの「ヤバい案件」に遭遇するというハヤカワさん、ヨッピーさんは、どのようにして身を守っているのだろうか。方法は三つあるという。
「逃げる」「戦う」「うまく伝える」だ。
両者ともに「ヤバいと思う案件は事前に避けることが大事」と語る。ヤバい案件としてよく見受けられるものとして、ハヤカワさんは「
最低限決まっていないといけない条件(納期、コンセプト、ギャラ等)が決まっていない案件」「
途中で条件が変わるもの(『これもお願いします』と後出しの依頼が来るもの等)」を挙げる。「
いくら貰える、という目先のお金に引っ張られずに断ることも大事。気分が落ちることの方が、後々ダメージは大きくなる」と語る。