「移住すればうまくいく」わけはない。理想通りにはいかない移住のリアル
物事やプロジェクトをうまく進めるための法則として、サイモン・シネックが提唱したゴールデンサークル理論が知られている。「What(何を)」や「How(どのように)」よりもまず、「Why(なぜ)から始めよ」という考えがあり、かのアップルが多くの人の共感を集めたのは、世界を変えるためにプロダクトを作っているという「なぜ」の部分を示したからと言われている。
これを移住の話題に例えるならば、移住をどのようにするかと考えるのではなく、なぜ移住するのかを考えることから始めてみるといいのではないだろうか。
今の時代、イベントに参加したりネットで調べたりと移住の情報はいくらでも取れる。相性のいい地域を見つける上では事前に下調べすることは重要だが、なぜその地域に住みたいのかをしっかりと考える必要があるだろう。
移住の目的が、都会に比べて自然豊かな生活を送るというものなら、3年も経てば豊かな自然もただの風景になる。ライフステージの変化に合わせて、住む場所を変えるのも選択肢の1つだが、移住はあくまで手段として捉えることが大事だ。
<取材・文/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。