特筆すべき実績もなく、明確な政治的スタンスもわからない小泉氏が、なぜ国民的人気を得ているのか?
それは、
メディアが『国民的人気政治家・小泉進次郎』を作り上げたからだ。
初当選を果たした時から、
世襲議員だと批判しそうなメディアが「政治一家のサラブレッド」と持ち上げ、いち新人議員を「自民党の若手のホープ」と取り上げた。
新人として異例の遊説局長代理に任命されると、地方での応援演説をカメラが追い、テレビで「小泉氏のスピーチはご当地ネタで笑いをとっている」と解説した。
ニュース記事には、小泉氏とは全く関係ない政治の話題でも、小泉氏のコメントが多く掲載され、オチに使われることもあった。まるで小泉氏は、政治コメンテーターのようだった。
また、実態は抽象的な発言が多いにも関わらず、小泉氏はたびたび、「父親譲りの歯切れの良さ」と報道されることがあった。そのため「小泉進次郎=歯切れが良い」という実態と遠いイメージが世間に定着した。
このように、特筆すべき実績も政治的スタンスもない小泉氏を、碌に検証もせず好意的に扱い続け、大臣にまで押し上げてしまったメディアの責任は大きい。
しかし、環境大臣になってからは、小泉氏に厳しい目が向けられるようになり、批判的な記事を目にするようになった。
これからは、国民に大きな夢を語るのではなく、大臣として国を動かし、今まで語ってきた漠然とした夢たちを実現しなければならない。
能ある鷹は爪を隠していただけなのか、それとも2代目(宇宙人と呼ばれた)鳩山由紀夫を襲名するのか、小泉氏のこれからに注目していきたい。