台湾人向けに繁体字で作られた、「みよしの」のキャラクター
「みよしの! カレー!! みよしの! カレー!! カレーで餃子をたらふく」というアニメソング的な歌詞で台湾を中心に人気になっているのが、北海道・札幌市民のソウルフードの1つ、カレーライスの上に餃子が乗った
「ぎょうざ&カレー みよしの」の「
ぎょうざカレー」だ。
地元民にだけ親しまれてきた「ぎょうざカレー」が注目を浴びたのは2016年、札幌市と道央圏を中心に25店舗を展開する「みよしの」に、札幌市を拠点に活躍するクリエイター集団「
ノースエレメンツ」がアニメ調のテーマソングによるブランディングを提案したのがきっかけだ。
札幌を中心に活躍する
「Dummy」さんがボーカルを担当した動画が話題になり、さらに、
台湾・中国向けに繁体字バージョンの応援キャラクターとして、台湾出身で札幌を心より愛するバーチャル・キャラクター、辛辛(シンシン)を制作。
みよしのの店舗の制服を着用してコラボレーションを展開、世界に宣伝された。みよしの1号店のある札幌・狸小路商店街のアーケードでは、この繁体字バージョンの動画が放映され、台湾からの観光客が足を止めるという光景が見られ、インバウンドの取り組み事例として紹介されることも多くなった。
札幌のソウルフード「みよしの」をインバウンドの魅力的なコンテンツに
このクリエイター集団「ノースエレメンツ」の経営者である殿木達郎氏が
『崖っぷち社長が教える! ピンチを乗り切る「なぜ?」「どうする?」の使い方』(スタンダーズ)を上梓。音楽業界のIT化を標榜して起業した「イータレントバンク」で失敗を続けた殿木氏が見出した、「地域活性化策が失敗し続ける理由と、ビジネスの成功の秘訣」を語ってもらった。
「札幌を拠点にしたノースエレメンツの最初の仕事が、札幌では有名な『みよしの』のテーマソングでした。『みよしの』はソウルフードとして有名でしたが、札幌でも若年層は利用経験が少なく、道外の人はほとんど知りませんでした。
私は、札幌のクリエイターの間でも利用者の多かった『みよしの』は、インバウンドの魅力的なコンテンツになりうると考えました。
当時から札幌への観光が増加していた台湾の人々は、日本のアニメコンテンツにも慣れ親しんでいる。『みよしの』とアニメを融合させれば効果大と考えたのです。
ネットの動画サイトで公開されると日本国内だけでなく、台湾でも人気が出ました。それが札幌へのインバウンドにつながったのです」(殿木氏)