結喜氏が見つけた”今から購入してもレバレッジ5倍で年利20%は期待できるトレード”とはいかなるものなのか?
「メキシコペソ/円に対して、カナダドル/円は66.3%、豪ドル/円が61.3%の相関があります。そこで、今回はメキシコペソ/円をヘッジする通貨ペアにカナダドル/円をチョイスします。相関性が50%以上ならばヘッジの対象になりますね。今回は『メキシコペソ/円買い、カナダドル/円売り』がトレードの内容になります」
円を基準とした各国通貨の相関関係表
※計算期間1000日 計算日:2019年5月15日
相関関係はメキシコとアメリカ、そしてカナダの関係性からも読み解けると結喜氏は指摘する。
「最近のメキシコペソはトランプ米大統領の発言に左右されて動く傾向にあります。『メキシコとの国境に壁を作る!』などの過激な発言で知られるトランプ大統領ですし、実際にメキシコとも交渉をしているので、影響が出るのは仕方がありません。ただ、そのままポジションを保有しているのは危険です。そこで効いてくるのが、『カナダドル/円の売り』を入れること。何かトランプさんの発言によってメキシコ経済には不利な項目が出てきてメキシコペソが下がるときには、反対にアメリカの北に位置するカナダが貿易相手国としてプレゼンスが上がります。そこでカナダドルを売ることでメキシコペソの下落をヘッジすることができるのです。いわば、メキシコペソ/カナダドルを買っている状態です」
40%の高利回りトレード!
もしスワップがなかった場合の利回りは約20%程度と、半分以下になってしまう。政策金利が高い新興国通貨+相関性の高い先進国通貨でリスクヘッジできるからこそのトレード手法だ
とはいえ、なかなか日本のFX会社でメキシコペソ/カナダドルを扱っているところは少ないもの。そこで、メキシコペソ/円買いとカナダドル/円売りとを分解したというわけだ。ちなみに、なぜ政策金利が高いトルコリラを選ばなかったのだろうか?
「トルコリラを見ると確かに政策金利が高いのが魅力ですが、トルコリラ/円に対してクロス円の通貨はどれも相関性は30%台です。相関性が高ければある程度同じ動きをするのですが、30%台では買いと売りを組み合わせても収益が安定しません。トルコリラの場合、この戦略はワークしないのでトレード対象外になります。ただし、取引するならば、購入金額は同じにすること。今回のトレードの最後のポイントです。FXでは通貨ごとに1枚の購入金額は変わってきます。同じ購入金額でなければ相関性まで取ってヘッジポジションを入れる意味がなくなります」
メキシコペソ/円は5円台、カナダドル/円は80円台なので、1枚の取引金額に必要な証拠金はそれぞれに異なっている。間違えて、購入金額ではなく取引枚数を同じにしないように気をつけたい。
この戦略はほかの通貨ペアでもいけると結喜氏は自信を持って語る。
「南アフリカランド/円の買いと豪ドル/円の売りでも、同じような取引が可能です。南アフリカランド/円に対して豪ドル/円の相関性は61・4%。国内政治も不安定なので、期待できるのはレバレッジ10倍で年利10%。期待リターンは少し劣りますが、ほかの投資状況によっては戦略としては十分ありだと思います。このトレードがよいのは基本的に一度ポジションを取ったらほったらかしが可能。数年単位で保有ができます。私も数年前に子どもが生まれて、子育てと仕事に追われており、以前のように投資分析に時間をかけられなくなりました。結果、この方法にたどり着いたのですが、週に数分確認すればいいだけなので時間がないなかでも取引が可能です。政策金利の変更があればポジションは適宜考えますが、メキシコペソや南アフリカランドの政策金利は数年かかって上がってきましたから、大きく変動するのは考えにくいのではないでしょうか」
高金利のメキシコペソ/円を単純に買って保有しているよりも、カナダドル/円を組み合わせてみては。思わぬ金額が転がり込んでくるかも。
<必勝トレード三原則>
1 政策金利が高い通貨を選ぶ
2 相関関係が50%以上の通貨ペアをチョイス
3 買いと売りは必ず同額になるように入れる
― 新興国通貨で一発逆転 ―