今日午後にも可決濃厚な横浜カジノ補正予算案。その異常さを物語る12の事実

根拠不明の増収効果

 次に、No11「市長が発表した増収効果の年間820億~1200億円の内訳は提示できない」について。横浜市は人口減少によって税収が減っていく中、カジノによって税収を増やすというのがカジノ誘致の大義名分であった。従って、この820億~1200億円という数字がどのように算出され、どのような内訳になっているのかをしっかり確認することは重要な意味を持つ。  以下、この件を確認した際の井上委員と横浜市のやりとりの抜粋を紹介する。 井上委員:増収効果820億円~1200億円は、一番重要。これから横浜市の財政が苦しくなるからカジノが必要だと記者会見で市長も強調していたので。でも、いまだに詳細が分からない。820億円~1200億円の内訳は? 局長:GGRに関わるので、事業者としては、一番出せないところ。我々としても、出せない。(※筆者注:GGRとは、総ゲーミング収益のこと。カジノ事業者がカジノで獲得した勝ち金総額から、課税を除いた金額) 井上委員:では、以前の見込み数字と、今回カジノ事業者が出してきたGGRの数字に開きはある? 局長:数字については、お話できない。  百歩譲って「カジノ事業者として出せない」という回答は認めたとしても、以前の見込み数字とのギャップすらも回答しないという横浜市の姿勢は不自然すぎる。

増収効果として挙げながら数字には責任持てず!?

 最後に、No12「市長が発表した増収効果の年間820億~1200億円は今後検討する施設の条件(大きさ、部屋数など)によって変わる可能性がある。つまり、横浜市として担保できる数字ではない」について。No11で内訳が分からないことは既に伝えたが、そもそも820億円~1200億円という数字の信ぴょう性はかなり怪しいということも当日の質疑で明らかになっている。  以下、この件が発覚した際の花上喜代志副委員長と横浜市のやりとりの抜粋を紹介する。 花上副委員長:カジノは斜陽産業という見方が現実にある中で本当に成功するのか。増収効果などの数字は横浜市がしっかりと確認したものと理解しているが、年間820億円~1200億円の増収効果は間違いなく横浜市に入ると確信を持っている? 局長:事業者が出した事業スキームでやれば、この数字を得られる可能性はある。ただ、横浜市が考える施設の内容、ホテルや会議室の数などが関わってくる。 花上副委員長:その説明だと、これから横浜市が検討して、この増収効果の数字も変わっていくと言っている。そんなことで結論を出していいんですか。  この件は非常に重要なので、当日は井上委員も度々質問していたが、横浜市の答弁は一貫して「この820億円~1200億円という増収効果は、あくまでもカジノ事業者が算出したものであり、横浜市としては今後この数字を検証していく。さらに、施設の大きさなどの条件によって、この数字は変わる可能性がある」という趣旨の答弁を繰り返している。つまり、カジノ誘致の最大の根拠となる数字でありながら、横浜市はこの数字を担保できないと言っている。
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この杜撰な補正予算案が通過してしまう理由とは?
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