20代後半〜30代前半は「人生最悪の時期」。乗り越えるための必要なこと

“心の成長痛”を乗り越えよう

フェーズ 5:自分の関心や目標に合致したことに、熱意をもって取り組むようになる。 「これがしたかったんだ!」と感じることが増えて、悩みを断ち切り全力で挑めるようになる。  このように、クォーター・ライフ・クライシスの間はストレスが強いが、ひとつひとつのフェーズを乗り越えて突破していくと、フェーズ5以降には幸福度が高まっていくことが確認されている。ある意味、“心の成長痛”なのかもしれない。

過去の自分を見つめ直すことが助けに

 私も2年前にフェーズ3を感じて、今年に入って、このクオーター・ライフ・クライシスを完全に乗り越えたと感じている。私は、フェーズ3以降を「自分探し」を通して乗り越えた。  といっても、インドや世界一周をするような旅をしたわけではなく、「自分の30年間の人生を振り返る旅」をした。自分はどんな人やキャラクターに憧れて、どんなものに感動したのかを思い出して、それを見直してみると、日頃意識していなかった、自分を突き動かすものが見えてくる。  私の場合は、子供の時に仮面ライダーの信念や価値観に憧れていたのを思い出して、今の価値観も仮面ライダーへの憧れの延長なんだと気がついた。  なので、インド旅行や世界一周をするのもステキな自分探しだと思うが、自分を形作った過去の経験を思い出したり、再度経験することで「そうか、自分の中にはこんな価値観があったんだ。今の価値観はこの延長だったんだな」という、気づきを作ってみてほしい。そして、30代から新しい人生を始めるのか、今のまま頑張り続けるのか決めて、人生の新しいフェーズに進んでいただきたい。  自分があなたの人生の主人公であり、どんな選択肢を選ぼうがそこに正解はなく、ただ自分にとっての満足か不満足しかないのだから。 【参考文献】 『イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ 』 (クレイトン・M・クリステンセン、ジェームズ・アルワース 、カレン・ディロン/ 翔泳社) <文/山本マサヤ>
心理戦略コンサルタント。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』がある。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催中。
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