忘れちゃいけない新閣僚の、あの発言<第4次安倍再改造内閣、閣僚の過去発言を掘ってみた Part2>

オリンピック・パラリンピック担当大臣・女性活躍担当大臣 橋本聖子氏

2013年2月6日 「(パワハラ告発した選手へ対し)プライバシーを守ってもらいながらヒアリングしてもらいたいということは決して良いことではない」  女子柔道の日本代表選手ら15名が代表監督をパワハラで告発した。日本オリンピック委員会理事ある橋本氏は、選手のヒアリングを行うプロジェクトチームの一員だった。 釈明コメント「『氏名を公表すべき』とする発言はしていない。公表しないことに厳しい意見もあることから、どういう方法で選手を守り、経緯や事実を明らかにするか検討すべきという考えだ」 ひもっちの一言「強者の理論やめーや。みんなあなたみたいに強くないんだよ」 出典:「告発15選手の匿名「大きな問題」 自民・橋本氏「訴える責任」強調 柔道暴力問題」2013年2月7日 朝日新聞 朝刊

この内閣は「挙国一致憲法改正内閣」では?

 この内閣のことを、多くのメディアが『お友達内閣』と揶揄し問題を矮小化している。しかし、この内閣の本質はそんな甘いものではない。安倍首相が「わが党の長年の悲願である憲法改正を、党一丸となって強くすすめていきたい」と語ったように、この内閣の本質は『挙国一致憲法改正内閣』だ。  憲法改正のために、安倍首相と考え方の近い人物を集めたと言っても過言ではない。実際に閣僚の12人は、安倍首相と同じ日本会議国会議員懇談会に所属している。  そして、閣僚の19人中15人が憲法改正に賛成とアンケート(毎日新聞の候補者アンケート。衆議院議員は2017年。参議院議員は2019年)で答えている。反対と答えたのは、竹本直一氏と赤羽一嘉氏の2人だけだった。(衛藤晟一氏と小泉進次郎氏はアンケートの全項目に無回答)  さらに注目すべき点は、高市早苗氏が2年ぶりに総務大臣に就任したことだ。高市氏は2年前の在任中に、テレビ局へ対し放送法4条「政治的に公平であること」に欠ける放送を繰り返した場合、電波停止を命じる可能性があると言及した人物だ。  この発言は、メディア関係者に大きな波紋を呼んだ。政府が一番組に対し干渉や圧力をかけ、放送の自由が脅かされるからだ。その高市氏を再び総務大臣に任命したということは、メディア関係者にとっては悪夢だが、安倍首相にとっては百人力のはずだ。憲法改正の発議をかけた際に、メディアが少しでも自分たちの意に介さない報道をしていれば、高市氏を使い電波停止をチラつかせれば良いからだ。  このように、今回の内閣で憲法を改正しようという安倍首相の強い意志を感じれる内閣改造になった。  私は、社会を前進させるための憲法改正には賛成だが、2012年の自民党改憲草案のような私たちの権利を縛る改憲には断固反対だ。 <文/日下部智海 a.k.a. ひもっち>
1997年生まれ。明治大学法学部卒業。フリージャーナリスト。特技:ヒモ。シリア難民やパレスチナ難民、トルコ人など世界中でヒモとして生活。社会問題から政治までヒモ目線でお届け。Twitter:@cshbkt
1
2
3
4
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会