渋谷駅前に現れた「ゴーストタウン」――路地の街から「高層ビルの街」へと生まれ変わる桜丘

「移転」を選んだ店舗も

 また、「地域に根付いた老舗」とは対極の存在である大手チェーン店についても、移転などではなく「撤退」もしくは「既存店に統合」となった店舗が目立った。例を挙げると、映画「君の名は」に登場したことでも知られる「あおい書店」や「松屋」、「串カツ田中」、「ドトールコーヒー」、「リンガーハット」、「ダイコクドラッグ」、「アジアンハーブス(フットマッサージ大手)」などが該当する。これらの店舗は、再開発される方針が決まったあとに短い契約期間でありながら出店したものも多く「家賃の安い場所で限られた期間で稼いで去っていく」というチェーン店らしいスタイルが垣間見えた。
チェーン店も多くが閉店

チェーン店も多くが閉店に。
こうした店舗は移転を選ばずに「近隣店舗」を案内する例が多かった。

 一方で、再開発地区から移転し、新天地での営業継続を決めた店舗も少なくない。それらのなかには、渋谷の「文化発信拠点」を担ってきたライブハウスや楽器店、ホビーショップなども数多く含まれる。こうした店舗は一体どこへ移転することになったのか――それについては、また後日の記事で明らかにしていきたい。
「移転告知」が掲げられた楽器店

「移転告知」が掲げられた楽器店。

<取材・文・撮影/若杉優貴(都市商業研究所)>
若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体『都市商業研究所』。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken
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