DJ JIN有するライムスターは、日本のヒップホップ黎明期からシーンを牽引してきたグループ。DJ JINは当時を振り返り、モータウンとの出会いについて語った。
「ヒップホップミュージックが主流になっているのも、かつてのソウルやR&Bのメロディがあってこそ。元ネタとなるR&Bをサンプリングして、ヒップホップの新しい曲が生まれている。私自身、ヒップホップの元ネタを探していくうちに、モータウンを知った」(DJ JIN)
ヒップホップの曲作りをするために、サンプリングネタとしてよく使われている70年代のモータウンサウンドから聴き始めたというDJ JIN。一番初めに買ったのは、スティーヴィー・ワンダー黄金3部作だという。「Talking Book(トーキングブック)」や「Innervisions(インナービジョンズ)」、「Fulfillingness’ First Finale(ファーストフィナーレ)」といった不朽の名作として名高いスティーヴィー・ワンダーのアルバムだ。
キッド、DJ JIN双方とも、モータウンが音楽シーンに与えた影響として、スティーヴィー・ワンダーの名を上げる。名実ともにソウルミュージックの祖として、まさに生きる伝説と称するにふさわしいという。
アメリカではモータウンサウンドが生活の一部になっている
モータウンの功績は、創設された60年代からソウルミュージック、R&Bを中心に70年代、80年代、90年代…そして、今に至るまで素晴らしい音楽を出し続けていること。
「アメリカでは家族と関わるときに、モータウンの音楽は欠かせない。また、ホームパーティやバーベキューなど皆が集まる場合には、モータウンの音楽をかけて楽しい時間を過ごすのがスタンダードになっており、モータウンサウンドが生活の一部になっている」(キッド)
モータウンからリリースされた数多くの楽曲は、有名どころから知られてない名曲までたくさんある。長い歴史の中で、これはおすすめというイチオシの1曲として、DJ JINはカーティス・メイフィールドの「Give Me Your Love」を選んだ。
80年代ニューヨークのアンダーグラウンドDJがプレイして、今もなおクラブでかかる名曲だという。
一方で、キッドが好きな名曲はジャクソン5の「Got To Be There」。マイケル・ジャクソンのソロデビュー作として知られる曲で、スティーヴィー・ワンダーのトーンを練習してレコーディングしたと思えるくらい、マイケル・ジャクソン初期のリッチな歌声を堪能できるとのこと。
モータウン独特のソウルミュージックは、今も世代を越えて愛され続けている音楽であり、今後も音楽シーンを語る上では外せない存在なのではないだろうか。
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。