日産自動車・西川CEOの報酬不正受領に見る姑息さ

日産自動車の西川(さいかわ)広人CEO

日産自動車の西川(さいかわ)広人CEO(EPA=時事)

 オリンパス事件をはじめ数々の経済事件の裏側を暴いてきたWebメディア「闇株新聞」。昨年7月に突如休止したヤバいメディアが1年の充電期間を経て復活。今回、日産自動車の西川広人CEOが報酬不正受領していた問題に迫る。 闇株新聞ロゴ

ようやく大手メディアが取り上げた不正

 日産自動車の西川(さいかわ)広人CEOが、自らが受け取る報酬を不正に水増ししていた事実が「ようやく」明るみに出てきた。(参照:日産社長らが報酬不正受領、社内処分を検討へ=関係筋|ロイター)  「ようやく」と書く理由は、2018年11月19日にゴーン会長(当時)とともに逮捕されたグレッグ・ケリー代表取締役が、「文藝春秋」7月号(6月10日発売)のインタビュー記事で「西川氏に日産自動車社長の資格はない」と断言するとともに、今回明らかになった不正も具体的に暴露していたからである。しかしその時点では他のマスコミはほとんど伝えることはなかった。  それがここにきて(9月4~5日になって)、一斉に各社も報道するようになったが、ケリー被告の暴露内容以上に新しいニュースはない。それでは「文藝春秋」が発売された6月10日から3か月もたってから、何で急に各社が取り上げることになったのか?

行使日をゴリ押し修正させた結果の不正な利益

 そこを解説する前に、西川CEOの不正について説明しておこう。  西川氏を含む複数の日産自動車取締役は「株価連動型報酬(SAR)」を割り当てられており、あらかじめ決められた行使価格に対し各自が決めた行使日の株価との差額に割り当てられた株数を掛けた金額が、現金で支給されることになっていた。  西川氏は2013年5月14日に行使したものの、日産自動車の株価がその後も上昇したため、いったん決めた行使日を秘書室にごり押しして5月22日に修正し4700万円もの利益を不正に得たというものである。もちろんいったん行使すれば、後から行使日を修正することは「明らかな不正行為」であり、まだ時効になっていない。  この時点において西川氏が受け取った「株価連動型報酬」の総額は1億5000万円にも上り、ひたすらゴーン被告とルノー本社に対する忠誠心を見せるだけの「ご褒美」が1億5000万円もの「株価連動報酬」となっていたことになる。もちろん通常の役員報酬とボーナス以外に「株価連動報酬」まで受け取り、さらに不正な手段まで用いてそれを上乗せしていたことになる。  9月5日早朝に報道陣に囲まれた西川氏は、何とこの期に及んで「(株価連動型報酬については)ケリー被告ら事務局に一任しており、適切に処理されていると認識していた」とトボけていたが、明らかにケリー被告の暴露と違っている。ケリー被告は西川氏がはっきり認識したうえで秘書室を通じて事務局に圧力をかけたと明言している。
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ゴーンを「売った」傍らで同じ不正を働いていた西川CEO
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