ヒッチハイクと青春18きっぷの旅、それぞれの魅力とは?
Soft.Guest house主催のもと、8月14日にヒッチハイクと青春18きっぷのベテランが集うイベントが、ゲストハウスとカフェ・バーが併設されたLittle Japan(東京都台東区)にて開催された。3年間でヒッチハイクを250台成功させた芳沢郁哉氏と青春18きっぷを10年以上使い、日本全国を電車で旅してきた吉野輝氏が登壇した。
ヒッチハイクと青春18きっぷのメリットデメリットや、どのように始めれば良いかなど、これから挑戦したい人向けに両者が経験談を交えて語った。
芳沢氏は大学4年の時、ひとり旅へ出たことがヒッチハイクをするきっかけになったという。
「スリランカ、ネパール、オーストラリアなど海外へ6ヶ月間旅をしたことが、自分を成長させる良い経験になった。そして、帰国後ヒッチハイクに挑戦する気持ちになった。もちろん、ヒッチハイクなんてやったことがないので、最初は不安だった」
そもそも車に乗せてもらえるのか。最初の一歩は勇気がいるものだ。
そこで、芳沢氏はやらざるを得ない状況を作った。海外から東京へ戻るのではなく、向かったのは博多。
こうして、人生初のヒッチハイク旅が始まったという。
「幾許かの不安がある中、博多駅から小倉まで初めて乗せてくれた人は、今でも年賀状のやり取りをする仲になっている。普段会えないような人に出会えるのが、ヒッチハイクの楽しみ」(芳沢氏)
小さな成功体験を重ねることで、ヒッチハイクはTVで見ている世界ではなく、普通にできるものと、芳沢氏は感じたという。
「ヒッチハイクに応じてくれる人は心の広い持ち主であることが多いので、物怖じせずに堂々と振舞うことが大事。看板を掲げて堂々と立ち、笑顔でドライバーと目を合わすこと。また、目的地を記す文字は、生き生きとした字体を意識すると乗せてもらいやすい」(芳沢氏)
丁寧に心を込めて目的地を書く方が、ドライバーの信頼を得やすい。また、乗せてもらう立場である以上、身だしなみや態度はしっかりわきまえるのも大切。さらに、ヒッチハイク成功の確率を高めるには、車の台数が多い場所で待機すること。
例えば、昼はSAの出口付近、夜はトレイ付近などドライバーが見やすい位置で看板を掲げる工夫も必要だ。
ヒッチハイクのデメリットは目的地までの時間が読めないこと。場合によっては、いつまで経っても車に乗せてもらえないこともあるだろう。
そのような時は、「ヒッチハイクはテンションがとても大切。常にポジティブなマインドを持つこと。ダメな時は一度リフレッシュすると良い」と芳沢氏は語った。
なかなか車に乗せてもらえない時に、一度諦めてランチを食べに行ったそうだ。気持ちを切り替えて再度ヒッチハイクをしたら、ものの数分で車に乗れたという。
雨だから車が止まらない。夜は看板が見えづらいから止まらない……。このようなネガティブな気持ちだとヒッチハイクはうまくいかない。
また、乗せてもらった車のドライバーと必ず話さなくてはと思う必要はないそうだ。自然と会話が弾む人、そこまで会話が続かなくても問題ない人など、ドライバーの性格は人それぞれだ。なので、人となりに合わせてコミュニケーションするのが良いという。
芳沢氏のようなベテランになると、初対面にも関わらずドライバーと意気投合してご飯をご馳走してもらえたり、家に泊めてもらえたりすることもあるそうだ。
「乗せてもらうという立場から、楽しい時間をありがとうと言われる立場へ。よくお金払っているのかと聞かれるが、ヒッチハイクは贈与経済だと思う。自分から旅の体験談や面白い話をしたり、ドライバーの話に傾聴する。この姿勢がドライバーに感謝され、ただのヒッチハイカー以上に見てもらえる」(芳沢氏)
ヒッチハイクは、目的地までバトンを繋ぐようなものだ。ヒッチハイカーとドライバーの関係構築が上手くできるようになれば、ヒッチハイクでしか味わえない旅の魅力を味わえるのではないだろうか。
インフラが整備された現代では、新幹線や飛行機に乗って目的地へ行く方法以外にも様々なスタイルがある。車を乗り継いでいくヒッチハイクや、青春18きっぷを買って鈍行電車を乗り継ぐなどだ。
ヒッチハイクや青春18きっぷは、移動手段としては知られているが、まだまだ未知の領域として二の足を踏んでいる人もいるかもしれない。
そんな中自分の枠を超えた出会いが、ヒッチハイクの楽しみ
ヒッチハイク成功の鍵はポジティブな気持ちでいること
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