自身も社会人経験のある増田投手。その“働き方”はビジネスパーソンにとってもヒントになるはずだ
プロ野球選手というとまったく違う世界で生きているようにも思えるが、その働き方には一般的なビジネスパーソンにも共通する要素やヒントがある。社会人野球出身の増田投手は、両方の世界を経験している選手の一人だ。社会人時代のワークライフバランスについては、やはり仕事と野球を両立させる難しさがあったという。
「終日勤務するときは、朝会社に行って17時半まで働き、そこからまた球場へ行って自主トレーニングを行ったり。半日勤務するときは、午前中は仕事をして、そこから午後は練習をしたり。やっぱり、両立するというのはスゴく難しかったですね。そうして練習が終わったら、次の日も朝から会社に行かなければいけないですから。プロ選手は野球が仕事なので、それひとつに集中してやらせていただけるのは、ありがたいことだと思います」
また、増田選手は試合の終盤、もっともプレッシャーのかかる場面でプレーすることが多い。どの仕事にもプレッシャーはつきものだが、しっかりと向き合うことが成果を出すための秘訣のようだ。
「やっぱり、先発ピッチャーに投げていただき、野手の選手たちに打っていただいて、自分が締めるというなかで、しっかりプレーしなければいけないですし、それがチーム(の結果)を左右するところでもあるので。少しでも貢献できればと思っています。
マウンドに行く前にはスイッチというか気持ちを入れて、リラックスするところはリラックスしてと切り替えるようにしています。特に登板する前のルーティンなどは持っていませんが、メンタル面を強く持つようにするところが自分のなかでは一番大きいですね。最初はどっちかというとすぐ切り替えるほうだったんですけど、最近は少し反省というか申し訳ないという気持ちが強く出てくるようになりましたね」
一般企業と同じく、野球はチームスポーツ。組織のなかにいながら、自分のパフォーマンスを最大限発揮するためには、次のようなことを意識しているそうだ。
「やっぱり、ブルペン・キャッチャーであったり、バッテリーを組むキャッチャーとはしっかり話しますね。ブルペンでの投球についても、試合が終わってから『どうでしたか?』と聞いたり。試合になったら、キャッチャーとその日の反省点やよかったところを話すようにしています」
こうしてしっかりと準備をしたうえで仕事に臨んでいる増田投手だが、連日試合が続くなかでは、“同僚”と話し合う時間を確保するのも大変だ。
「それだけ、いいときも悪いときがありますから。そのなかでその日のいいボールを投げられるように選択していかなければいけないので。そういう面でもしっかりキャッチャーと話し合って、試合になったら、それを踏まえたうえで投球を組み立ててもらうようにしています」
毎日ベストな仕事ができればそれにこしたことはないが、現実には好不調の波がある。コンディションやその日の状態を把握して、それに合わせたベストを尽くすことが、活躍につながるのかもしれない。