── 山本さんは「真の独立国家を目指す」と訴えています。
山本:外国の軍隊が自国に駐留し続け、しかもその駐留経費のほとんどを負担するような国は、世界中のどこにもありません。宗主国と植民地の関係においてしか、こうした不平等な関係は成立しません。このような恥ずべき状態がどうして変わらないのか。それは、変えようという政治的な意志が働いていないからです。
まず、国土全体のわずか0.6%の面積しかない沖縄に、米軍基地の70%が集中している状況を変えるべきです。沖縄にいる海兵隊にはカリフォルニアにお帰りいただく。同盟国と言うならば、対等な関係を構築しなければなりません。日本の主権を侵害している日米地位協定にも踏み込むべきです。そして、米軍に依存した安全保障政策を改め、自主独立の安全保障政策も考える必要があります。そのためには、防衛にかかる費用は担保しなければならないし、こうした議論を避けるべきではないと思います。
── 野党共闘を進める上で、消費税についての考え方をどのように調整しますか。
山本:私たちが単独で政権交代を実現することは困難です。政権交代を考えたとき、私は野党が共闘することが絶対に必要だと思います。ただ、野党がまとまるだけではなく、そこに政策を乗せていく必要があります。
与党は消費税増税、野党は消費税増税凍結の立場をとっています。しかし、凍結というのは、いつかは増税するということです。現在の国民の生活を鑑みれば、野党側は凍結ではなく、廃止の側に立つべきだと思います。消費税減税と消費税廃止は、方向性としては同じです。したがって、まず消費税を5%に減税することで野党の合意を形成する必要があると思います。
── 山本さんは、参議院議員としてこの6年間で、あらゆるテーマについて猛勉強してきたと言われています。そして今、山本さんは次の総選挙で与党を倒し、総理大臣を目指すと語っています。身につけるべき資質は何だと考えていますか。
山本:調整能力、清濁併せ呑む度量、意見の違う人とも手を組みながら数を増やしていく姿勢など、足りないものだらけだと思います。政権交代を実現するためには、苦手と思っている人とも手を組まなければならないということを、小沢一郎さんからは教えていただきました。
ただ、今私がそれをやれば、これまでの永田町の論理に陥ることになりかねません。今の私にできることは、野党が結集する過程で、そこに明確な政策を乗せていくということだと考えています。ダイナミックに政治を動かしていくために、有権者一人ひとりが政治とつながってもらうための運動を推進していきたい。
── 山本さんは、衆院選で100人程度の候補者を立てると言っています。
山本:全国をまわり、小選挙区で勝てる候補者を探す必要があります。丹念に地元をまわっている方や知名度のある人も選択肢になるでしょう。とはいえ、参院選で私たちが追求した当事者性に関してはぶれてはいけないと考えています。舩後さんも木村さんも、捨て身で国会議員になりました。「この国を救うために自らの身を捨てる」という気概のある人たちと出会えることを期待しています。
人々の生活は日々苦しくなっています。一日も早く政権交代を実現しなければなりません。
(聞き手・構成 坪内隆彦)