アルゼンチンは今年に入って5月までで94300人が職場を失っているという。経済が回復する要因になるものは何もない。唯一、国際通貨基金(IMF)がマクリの再選を望んで資金支援をして来たことでデフォルトから免れているというのが現状である。(参照:「
Datos macro」、「
Politica Argentina」)
アルゼンチンという国は伝統的にインフレの上昇の繰り替えしである。それが第二次大戦以後目立っている。アンデス山脈を背にしてアルゼンチンとチリが国境を分かちあっているが、チリは戦後の資金預金高は18倍に増加したのに対しアルゼンチンは僅か3倍の増加である。(参照:「
Libre Mercado」
もうかなり以前になるが、この2か国を比較して筆者が「El País」を読んで記憶しているのは次のようなことである。
小学校の先生が、生徒を教えるときに、チリでは先生が生徒に「チリは貧しい国だからみんな努力して頑張りましょう」と教える。
しかしその一方で、アルゼンチンは20世紀初頭の世界をリードした国であったことが忘れられず、現在も国は豊かだと思っている。 だから先生も生徒に
「アルゼンチンは豊かな国だった」ということを繰り返すだけで生徒にそれは過去のことで現在は貧しい国になってしまったということを教えようとしないのだという。